表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
27/95

【第27話】巡り会い     

お早うございます。

朝刊です。

 目を逸らす空。

 やはり、嫌われているんだろうなぁ、と痛みに耐え、更に悲しくなる左近。


 そこに、無言で突っ込んできた高校生二人。

 制服から見て、県内でも有名な高校だ。

 ただし、悪い方の噂で。


 無言での襲撃、手慣れている。


(あ、あぶな……お腹が痛くて、声が出ない!)


 何が起きたか左近には分からなかった。

 高校生二人は大きく弧を描いて、川に落下した。


 ドボン!バシャン!大きな水飛沫が見えた。


「アキくん!?どうしたの?何かあったの!?」


 エノンの声が遠方より聞こえてくる。


「エノンやクルミちゃんと勉強会の帰りなの」


「……」


「犬の声を聞いたわ、どこかしら?わんわん、怪我しているはず!」


「俺よりも犬か?」


「ええ、私、あなたも野球部も嫌いだもの」


「でも、助けてくれたんだ、あ、ありがとう……」


「あなた嫌いだけど、あいつら、もっと嫌い!集団で!それだけよ!」


 吐き捨てるように言葉を放つ空。

 そして、決して左近とは目を合わせようとしない。


 左近は助けられたが、本当に悲しくなった。

 折角助けてくれたのに、俺でごめんと、言いたくなった。


「それ、なおせないの?」


「?」


 治す?直す?

 何を言っているのだ?


「ここは速く離れた方がいい、私も速く離れたい。虫、いっぱいいるし……」


「あ!」


 目を合わせないはずだ、パンツ脱がされている!

 動こうとするが、腕が上がらなかった。

 手に力も入らない。


(くそうっ、骨折したか?野球が!ペロ!どこ!?)


「仕方ないわね、手伝ってあげる」


「え?い、いいよ!」


 さすがにこれは恥ずかしすぎる!

 痛みも忘れるほどに!


「手伝ってあげる、クルミちゃんやエノンに見せるわけにはいかないし」


 そう言って空は、左近の世話をする。


「名前は?」


「え?左近だよ?知っているだろ?」


「犬の名前」

「あ、ペロ」


 綺麗に服装を直す空。


「動ける?歩ける?」

「ああ、歩けるさ!」


 強がってみたが、あまりの痛さに涙が流れる。


「……素直じゃないなぁ」


 挿絵(By みてみん)


 すっと腕を回す空。


「あっ……!?」


 自分より、遙かに小さなカラちゃんが、軽々とお姫様抱っこをする。


 その腕力に、目を見張る左近。


「肋、折れている、救急車呼ぶね」


「え?」


「あ!?アキくん!ど、どうしたの!?」


 エノンが駆け寄る。


「おい!大丈夫か?」


 赤間君は橋の下の倒れた人物を睨んでいる。


 腕の中の左近を認めると、エノンの顔に殺気が漲り始めた。


「エノン、携帯持っているよね?救急車呼んで!赤間くん、ここ、いいかな?」


 ゆっくりと左近を降ろす空。


「なんとなく分かるぜ、救急車が来るまでだな?」


「そう、私、ペロ探さなくちゃ」


「ペロ?もしかして犬?」


「そう、エノン、見たの?」


「犬なら、クルミちゃんが……」


 クルミちゃんに意識を向ける空。


 微かな嗚咽。

 飛ぶように走り、声に近づく空。


 そこにはナイフだろうか、肩を大きく斬られた犬がクルミちゃんに抱かれていた。


「アッキーどうしよう!?ワンワンが、ワンワンがっ!」

次回投稿は 2023/09/04 朝の予定です。

サブタイトルは 【第28話】天翔る女の子 です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ