【第2話】好きでもイヤでも朝は来る
おはようございます。
台風の影響で風が凄いです。
停電が怖いので、今のうちに、投稿します。
次回投稿は未定です。
朝は苦手だ。
なかなか早起きが出来ない。
ああ、好きでもイヤでも朝は来る。
何か、楽しいことはないか?
あ!今日は配信がある!これは好き、今日はいい日。
が、学校で合同の体育がある。
これはイヤな日。
身体を動かすのは好きなんだけど、隣のクラスに苦手以上に、嫌いな人達がいる。
この人達、絡んでくるんだよなぁ。
「そーらー?起きた?」
階段から声がする。
愛お母さん!声大きいよ!
絶対外まで聞こえている!
私はむっくりとベッドから身を起こす。
……凄い汗。
いつもそう、あの炎の巨人の夢を見ると、汗が凄い!
うう、パジャマが張り付いて気持ち悪い。
お布団も大変な事になっている!
「おーきーてーるー?」
だからアイお母さん、声、大きいって!
「はーい!」
……まあ、私もかなり大きいけど。
多分、外まで聞こえている。
でも、これは遺伝ではない。
私は愛お母さんとコロ……小次郎お父さんの子供ではない。
私の両親に子供はいない。
あ、表現がおかしいかな?
実子はいない、が正しいのか。
小次郎お父さんが、道端で座り込んでいる私を見つけ、アイお母さんが拾ったのだ。
当時私は2才だった。
当時のことは、しっかりと記憶している。
いや、当時どころか、私は胎児の記憶がある。
このまま行くと、生れる前、前世の記憶まで蘇るのではないか?と思ったりしている。
まあ、さすがにそれはないと思うけど。
思うけど……私は色々な夢を沢山見る。
黄緑色の獣になったり、獣人になったり。
みんな、夢の中での出来事だ。
あまりにもその夢が精密過ぎて、夢が本物で、私が夢ではないか?と思うほどだ。
このことは、誰にも喋っていない。
まあ、喋る必要もないけどね。
ペタペタを湿った足音を立て、階段を降りる。
「そ、そら!?また怖い夢見たの?」
「……まあ」
髪までしっとり。
私の容姿を見て、驚き、呆れるアイお母さん。
「シャワー浴びなさい!」
「ん」
言われるまでもない。
浴びます、シャワー。
だって、汗の臭いも酷い。
悲しきかな、私は体臭がちょっとキツい。
中2女子としては、涙が出るほど切実な問題なのだ。
夏が嫌いだし(汗が流れる!)、冬も嫌いだ(汗が籠もる!)
涼しい、秋が丁度よい。
「朝ごはん、出来ているからね!聞いている?そら!?」
シャワーの音で、普通は聞こえないだろう。
だけど、私は聞こえる。
「はーい!」
大きな声で返事する。
この異常な会話、アイお母さんは自然すぎて気がつかない。
普通は聞こえないからね、アイお母さん。
アイお母さんは私のことをアキとは言わず、そらと呼ぶ。
アキと言う名前は、呼んだり、聞いたりすると、悲しくなるそうだ。
それも、凄く。
何故だか分からない。
聞いても、答えてくれない。
ただ、悲しいとしか言わない、本人も分からないそうなのだが?
だから、小次郎お父さんも私のことを『そら』と呼ぶ。
不思議な夫婦だな?
で……いっそ、改名するか?と、小学校の時、そらに改名するというと、怒られた。
なんで?
両親ともに大反対した。目茶苦茶怒られた。
アキという名は、悲しくなるけど、絶対に変えてはいけないそうだ。
うーん、うちの両親、変わっているなぁ。
まあ、両親なりの拘りがあるのだろうけど……解せぬ。
解せぬのは、まだある、沢山ある。
私は血の繋がりがない。
なのに、なんでこの夫婦は、こんなにも私に愛情を注ぐのだろう?
誉めるし、叱る。
ちゃんと、愛情を示し、育ててくれる。
ありがたい。
なぜ、愛情を示すのだろう?
勿論、私はこの二人に応えたい。
この二人の子供として。
まあ……中学2年生の、考えではないような気もするが、これが私なのだ。
不思議なことはまだある。
胎児の時から色々な知識があった。
性や妊娠の知識、数学や外国語の知識があった。
どこで仕入れた知識だ?
どこで勉強した?
そして、どこに記憶している?
まだ胎児なのに?
我ながら思う、私って、何者なのだ?
……これが中2病か?怖くないか?
シャワーを終えて、鏡を見る。
……ここから男子禁制。
ナイフを使って、お顔の毛をショリショリ。
脇の毛をショリショリ、お悩み、その2、私は毛深い、プラス剛毛。
普通のカミソリ程度では、処理できない。
身体のどこそこをショリショリ。
お悩み、その3、鏡を見る……なんでアイお母さんはあんなにデカいのだ?
ぼちぼち膨らんできてもいいと思うのだが。
アイお母さんは170㎝以上の長身、方や私は144㎝。
身長で、チチのでかさは決まらないだろうが、もう少し背も欲しい。
え?血が繋がってないから?
遺伝的に関係ない?
自分で言うにはいいが、他の人にアイお母さんやコロお父さんと血が繋がっていないと、言われると、無性に腹が立つ!
事実だが、腹が立つ!
ショリショリ。
よし!つるつるの卵みたい!
自慢その壱、私は刃物の使い方がとても上手い(これも、どこで覚えてのだろう?)ナイフでムダ毛処理とか、よい子は絶対真似しちゃ駄目だぞ。
そして、耳が以上に発達している。
そう、耳がいいのだ!
アイお母さんの足音だ、ドアを開けるぞ、多分、ノック無し。
まあ、アイお母さんらしいが。
そして、突然開く脱衣所の引き戸。
「おーい、そら!エノンちゃん、もう来るよっ!」
ほらね。
「お、ピチピチ卵」
ペチッ!
「んきゃ!」
お尻を軽く叩かれた。
……ピチピチ……卵?
まあ、何を言いたいか伝わります。
付き合い長いし。
「お褒めの言葉、ありがと、アイお母さん」
「ほれ、パンツ!」
「あ、ありがとう」
「?どうした?私、もう仕事に行くよ?」
なんか凄みのあるパンツである。
ブラもでかい。
「白のレース上下!?これ、お母さんのじゃん!」
「あ、わりぃ!こっちだった」
お母さんと言うより、お姉ちゃんって感じだ。
次回投稿は未定です。
サブタイトルは 【第3話】学校にGO です。