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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
19/95

【第19話】虐殺を止めろ!     

今晩は。

投稿です。

 近所の人達も集まって、もはや我が家周辺は居酒屋と化した。

 小次郎お父さんの同僚さんが、投光器も会社から持ってきた。


 辺りはもう真昼である。

 明りと喧騒で更に、人が集まり始めた。


 「しっかり食べておけ、ソラ」

 「なんで?アイお母さん?」

 「忙しくなる」


 ?

 何をする気?


(聞こえるかソラ)


 !


 小次郎お父さん!?


(アイさんの力が移った)


 ……え?


(これは、念話と言うらしい)

(それがね、ソラ、小次郎さんにお帰りのちゅーしたら、移ったみたいなの!)


 ……アイお母さん?酔っている?


(……)←小次郎お父さん。

(……)←アイお母さん。


 だから、思春期だって!もー!


(これが、お前のいる世界か?)


 え?


(握力や、聴力、匂いや視力、世界が違って感じる。ソラ、お前は小さいときから世界を、こんな風に感じていたんだな)


 !


 ……私のお父さんは、優しいな。

 怪物とか思われても、仕方がないし、言訳も出来ないんだけどな。


(聞こえたぞ、お前は私とアイさんの子供だからな、見捨てはしないぞ)


 へへっ。

 嬉しいな。

 私は素敵な人達に、拾われたな。

 感謝しなければ。


(ご主人さまン、注意をン)


 え?


(円さまとサイザンさまは気づかれています)


 ??

 何をかな?


(飛行ゴーレムです)


 飛行ゴーレム?飛行機?


(そう、それですわン!)


 あ!?ナビナナ、ウイルスの件、どうなったの?

 ここでなぜか思い出した。


(継続していますわン)


 宴会の最中、細長い白い飛行機雲を出しながら、それは飛来してきた。


 夜間だよ!?

 それも、一機じゃ無い!


 とても高いところを飛んでいるなぁ。

 音も小さいや。


(あの雲は何かを含んでいますわン)


 何を!?


(ここからでは分かりませんが、識別レッドですわン。高さは私の測定器で15000m以上、あの雲は異常ですわン)


 小次郎お父さんや、アイお母さんも気がついている?


(はいですわン)


 私が、巻き込んだ?

 お父さんやお母さんを、異常な世界に!?


(いえ、判断したのは勇者筆頭、小角さまですわン)


(あの雲の中には変な粒が混じっている)


 サイザン君?


(今から無効化してくる、円、お前は地上の方を頼む)


(サイザン、異世界に干渉していいのか?契約は?)


(ご飯、食べさせて貰っただろ?タダ飯は駄目だよ、恩返しっ!)


(ぼくも服もらったし、エノンさんや秋津川さん、優しく抱きしめてくれたよ!)


 ……ちょっと恥ずかしいかな?

 ん?円と目が合った?

 地上って?何かあるの?空だけじゃなくて?


(道路や橋、封鎖されている、それに電子機器に不具合が出始めている)


 詳しいねサイザン君。


(俺は時期勇者の予定でね、この世界に来てから子機をバラ蒔いたんだ)


 子機?


「ソラ」


「なに?小次郎お父さん?」


「車やあのバイクも感染して、もう動かない。この発電機も時期止まる」


「え?」


 感染?


「県境は封鎖され、銃を持った防護服の一団を多数確認している」


 はああっ?なんですと!?


「能力を活かして見てきた」


 小次郎お父さん、レンジャー?


「サイザン君と話したんだが、あの獣、魔獣か?あれは極秘な存在で、世界連合ビルと関係があるらしい」


 転送機ってヤツか?


「その情報が、今、世界に漏れるとマズいと?」


 あ、何か言いたげ?


「他にも何か、知っているの?サイザン君、円?」


「この世界の産業廃棄物を、俺達の世界に持ち込んでいる」


 はああああああっ!?


「そ、そんなことしていいの!?」


 駄目じゃん!


「おい、ホントかよ?バレたらこの世界、大変じゃね?」


 だよね、赤間君。


「酷すぎるよ!」


 怒りを露わにするクルミちゃん。


「今、この世界では、その問題を調整中で、微妙な時期だ」


「誰かと交渉して……あ!?」


 ここでマートル!?


「でも、マートルで何を?」


(使い道は無限にある、ここの世界の魔科学は俺達の魔科学と系統が違うって言ったろ?マートルを解析するのさ)


 解析?

 !

 解剖!?


 だだだだだだ駄目だよっ!そんなのっ!酷い!


(魔科学の発展のため、とか言って、実行しそうじゃねぇか?)


(真杖ならやるだろうな)


 !!!!!!!!!!

 こっちの世界に来ているの!?


(俺達、異界の住人は魔法が使えるし、念話や移動手段、これを手に入れれば世界が変わるぜ?)


 そ、それでも駄目だ!

 マートルは、元の世界に早く帰した方がいいのかしら?


(で、あの飛行ゴーレムの登場だ)


 え?何の関係?


(あの煙で、ここの世界の住人は弱体化して、いずれ死にいたる。この地域の人々は未知のウイルスとやらで全員死亡、生き残るのは俺達や、お前くらいだ。魔獣の目撃者、犠牲者は沈黙させられる)


 虐殺!?


(地上は、地上で俺達の世界の技術と、この異世界との技術が生み出した新しい魔獣の登場だ)


 どうする?

 私は多分、生き残れるだろう。

 おそらく、小次郎お父さんも、アイお母さんも。


 でもエノンは?クルミちゃんは?

 赤間君は?

 幼稚園のチビちゃん達は!?

 学校の皆は!?


 そんな簡単に、命を奪っていいの!?


「おい、怒りを抑えろ」


 円が警告する。


「無理」


(だよね、俺達だってせっかく会えたエノンさんやクルミさんの死は見たくない。円、行ってくるぜ、地上はよろしく!あと、秋津川さん、マートル、よろしく!)


 ふっ、消えるサイザン君。

 ど、どうするの?

 高度10000m以上だよ?


(風魔法で煙を集め、圧縮し、焼く!飛行ゴーレムは炎魔法で焼き尽くす!)


「俺も行ってくる、マートル、じっとしていろよ?」


 こくこく。


「秋津川、マートルを頼んだ。そいつ成人の儀式前で、まだ子供なんだ」


「……」


「なんだよ?」


「円、あなたは大人なの?」


 聞いてみる。


「どうだろう?多分違うと思う」


 小次郎お父さんが前に出る。


「まず、どこに?」


 え?小次郎お父さん?


「コロさんが接触した、人型の魔獣退治だな」


 人型?知らないわ!


(新型のようです、鱗の人族とはまた別の形態のようですわン)


「魔獣は勇者が倒したのでは?」


「俺達の世界の魔獣は倒した。ここで開発された魔獣は、倒していない」


 そんなんあり!?


「ええっ!?なんで?」


「分からん、なにか意味があると思うんだが……けど俺達は違うぜ、自己防衛として暴れさせてもらう!」


 こうして、私達の街を守る戦いが始まった。


 相手は……この世界を統べる者達、世界連合。


 無謀だろうか?でも、止まれない!

 

 挿絵(By みてみん)

次回投稿は未定です。

サブタイトルは 【第20話】檄! を予定しています。

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