【第17話】なぜか我が家に集合
今晩は。
投稿です。
今回は、この時間になりました。
赤間君は回復した。
それもすぐに!
まるで、ゲームの回復薬である。
それどころか、エノンの頬の怪我、打ち身も、体育館に運び込まれた重傷者も回復したのだ!
サイザン君、何者!?
え?本当に校庭の雑草から作ったの!?
もはや雑草なんてナシじゃん!
「雑草?そんなこと言ったら、ニトお父さんに叱られるよ!薬草に関しては、ニトお父さん、鬼なんだから!魔王、勇者、関係無しに物申す人なんだぜ?」
ニトさん?確かゴブリンの時のお父さんだ。
……思い出した方が、いいのかな?
でも、邪魔じゃね?
体育館、怪我人はいなくなったけど、人は減らなかった。
自宅が壊された人が、かなりの数いるのだ。
そして怪我が治ると、みなさん、今度は別のことで騒ぎ出した。
そう、まず情報、端末が使えない、最悪なことに、電気が止まっているのだ。
連絡しようにも、通信設備は全滅だし、孤立している?
職員室はがらん、と人気が無く、担任の先生の机にメモを置いてきた。
取敢えず、私はお家に帰ることにしたのだ。
ぞろぞろ。
私の右にはエノンとクルミちゃん。後ろには赤間くん。
更にその後ろにはサイザン君と円。
左手にはマートルがぶら下がるように、しがみついている。
犬と言うよりもネコ?
でも揺れている尻尾は、ワンワンなんだよねぇ。
「サイザンお前、薬の作り方、教えなかったのか?」
「無理だよ、円。魔力が扱えない人族には、教えても再現できない」
「俺達の世界の医療が。異世界の医療より進んでいるのか?」
「いや、そうでもない。切って調べる技術は凄い、俺達の技術とは系統が違うみたいだ」
技術の系統?体系かしら?
ここで私は質問してみた。
「どんな系統なの?」
「俺達の技術は繋げて増やす技術が、主な系統なんだ……この世界で勉強してみたいな」
「ええっ!?サイザンお兄ちゃんが、勉強!?」
「おい、マジか?お前が勉強?トビトカゲ捕獲以外に?」
……なんだろう?トビトカゲ?よだれが出そうになったけど!?
梅干しの反応と一緒か?
「……あの、サ、質問いいかしら?」
お?クルミちゃん?
「私、ゴブリンなの?」
!?
……ゴブリン、いい、イメージではない。
「で、私は死んでいるん?」
エノン?
異界組、3人が固まる。
まあ、そもそも、なんでこいつら私達についてくるんだ?
いいけど。
(おい、ここで話していいのか?)
(お話しして、信じてもらえるのかな?ぼく、分かんないや)
(こいつらにとっては、異界の話しだぜ?)
(でもよ、なんで同じ奴等がいるんだ?サイザン、お前魔王次席だろ?説明しろよ、超絶魔力感知で繋がり、分かっているんだろ?)
(……分かっているけどサ、話して、繋がりが切れたりしたら責任感じちまうよ!それから、魔王っていうなよな?俺は勇者次席!)
……おい、みんな聞こえているぞ。
「あのう……お話しできる範囲でいいんだけど」
悲しそうなお顔のクルミちゃん。
「その前によ、クルミさん、俺達の言うこと、信じるのかよ?」
「え?信じたらいけないの!?」
……素直すぎるよ、クルミちゃん!
「だって、赤間くん助けてくれたし、オトちゃんの怪我も治してくれたし……怪我している皆、治してくれたし……」
うわぁ、クルミちゃんの上目遣い、凄い破壊力だぁ……。
「うちも聞きたい!」
私は聞きたくない。
おおよそ、ナビナナから聞いているし、悲惨なこと、ばっかりだから。
「ゴブリンって、その……怖いお顔なの?」
?
いや、記録見たけど醜悪ではない。
人族にかなり近い。
「いや?ふさふさの耳に小さめの角、かわいいよ?」
答えたのはサイザン君だ。
「そ、そうなの?」
「うん、クルミさんは市場のアイドル歌姫、ホッシーと人気を二分している」
……ホッシー?
脳内検索……あ、いた。そっくりじゃん!
せくしー?大人っぽい?
ずるいなぁ、ホッシー!
「クルミさんは優しいよ、ぼく、いつも綿菓子貰っている!」
餌付けか?
「ふ、ふーん。か、かわいいんだ……」
そこはかとなく、嬉しそうである。
「エノンさんは……僕達3人の先生?かな?」
なんだそれ?
「亡くなったホルダーアキを探し続けて、世界中を旅したんだ」
亡くなった人を探し続けた?
ナビナナ、エノンの記録は詳しく記してないけど?
(戦闘の記録をメインにしていますわン。エノンさまや人物に関しては、情報操作、制限をしていますわン)
まあ、私が望んだ事だけど……。
(エノンさまは明季さまにとって、最重要人物、特に秘す人物、と判断しましたわン、それに人物の関係は思い出すべき、と判断しましたから、簡単な記録だけインストールしていますわン)
……色々と考えてくれているんだ。
何者だ?ナビナナ。
ただのプログラムではないな。
過去のエノン?異界のことだけど、たまらず聞いてみた。
「死んだ人を、探すの?」
「……俺達は面識無いけど、ホルダーアキは魅力的な人物だったらしい」
「エノンさんは、生まれ変わった明季お姉さまを探しに行ったんだ」
「生まれ変わりを?どうして?」
見つけ出すのは不可能に近いのでは?
「それは、ホルダーは記憶と能力を再現できるからだよ」
?
「記憶を保持して一人、生まれ変わるのはきっと寂しいだろうって、そう言って探しに行ってたんだ」
なっ!?一人で?私を!?
「うん、ぼくも聞いた。エノンさん明季くんも、きっとうちを探しているから、見つかりに行くんだって」
何かが、震えた。
私は言葉を失い、エノンが代わりに口を開く。
「でも、どこに生れ変わるか、いつの時代か分からないでしょう?」
「それでも探さずにはいられないんだ!」
私は、そんなに愛されていたの?いや違う、明季が、だ。
「二人は巡り会えたの?」
クルミちゃんが円の目を見つめ尋ねる。
「分からない、もうエノンさんには何年も会っていない、みんな魔力還元したって言うけど俺達は信じていない、きっとホルダーアキを探し続けている」
「……その人に、うち、そっくりなの?」
「ああ、そっくりだ。僕たちの知っているエノンさんはもう少し、大人だったけど」
ゴチッ!
「いってぇ!何すんだよ秋津川さん!?」
「サイザン君!今エノンの胸見たでしょう!?不届き者!」
「み、見てねぇし!」
この3人、私のことを秋津川さんと言いだした。
アキは闘神アキ、ホルダーアキ、として尊敬している呼び名らしい。
「で、ここが私のお家だけど、お茶でも飲んでいく?」
ぐぅうううううきゅるるるるるぅ。
「ぼく、お腹空いた」
ナビナナ……獣人族って食べるよね?
(この世界で人族の3倍です)
ご飯、あるかな?
お店は閉まっているようだし。
次回投稿は未定です。
できるだけ毎日投稿を目指します。
サブタイトルは 【第18話】始まる宴会 の予定です。




