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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
1/95

【第1話】炎の巨人との邂逅、これ三回目なんですけど!

今晩は。

MAYAKOです。

初めましての皆様も、お馴染みの皆様も、よろしければお楽しみください。

では、続 The Lily 前世の記憶は邪魔である  礼羽編 スタートです。

 意識の焦点がふっ、と重なる。

 綺麗にピントが合う感覚だ。


 ……どこだここ?


 真っ暗だ。


 この感覚、以前もあった。

 何処かに光が見えるはず。


 どこだろう?


 小さな針で突いたような小さな光。

 それは小さな、小さな穴にも見える。


 ……あった!


 ほら、誰かが呼んでいるみたい、行ってみよう!


 私はその小さな光を捕らえ、進み出す。


 どのくらい歩いたろうか?

 進んでいる?

 近づいている?


 辺りは真っ暗だ、比較するモノが見当たらないから、一向に分からないっ!


 と、思った瞬間、一気に視界が広がった!


「わっ!」


 辺り一面、炎である。


 その轟音で、周囲は満たされ、あらゆるモノを焼き尽くす!


 ……熱くない。

 ……でも怖い。

 ……この感覚、どこかで?それに、ここ、知っている?


 ぶわっ!と炎が膨れ上がり、人の形を取り始める。


*そこにいたか*


 ?


 誰?


*わしじゃ、俺!*


 ?


 向こうは私を知っているみたいだけど?

 恐怖心は湧かない。むしろ……あ!?


 おおおおおおっ思い出したっ!


 炎の巨人さんっ!


*だよ*


 だよ、じゃないでしょう!

 皆はどうなりました!?

 酷いです!あの世界で私は、何もやり遂げていないっ!


*そうなのか?…………?どうした?*


 う。


*う?*


 うわああああああん!


*!!!???*


 駄目だ、号泣が止まらん!

 みんな!みんなっ!


*そ、そう、泣くな、過ぎたことだ*


 えええっ!?過ぎたことぉ!?

 ひっどおおおおい!


 確かにそうかも知れませんが、他に言葉があるあるでしょう!?

 そうあっさりと、割り切れるモノではありません!


 くやしいし、悲しいし……うわあああああん!ごめんよ、エノン!エノン!シンお姉ちああゃん!


 うぐっうぐっ、アイお姉ちゃん!アイお姉ちゃん!

 みんな、みんなぁ!イオリちゃん、イオリちあああああん!


 どのくらい泣いたのか、時間感覚がないので分からない。

 かなり長い時間、泣いていたような気がする。

 その間、巨人さんはじっと、私を見つめていた。


*そんなに悲しいか?*


 こくこく。


 みんなにもう会えない……。

 軟弱者と笑います?


 こんなに悲しいことはない。

 もうあの世界には、あの時間には戻れない!


 ハピ子……ん?あれ?


 その時、不思議と力が湧いてきた。


 何だろう?ハピ子を思いだしたら、力が湧いてきたぞ?何でだ?


 ハピ子って!?


 なんだろう?泣いてばかりいられない気がしてきた!

 私にとって、ハピ子ってどんな存在なの?


 あ、ごめんハピ子、勝負つかないままだ!


 怒るだろうなぁ、ハピ子。


 あ!


 赤ちゃんは、どうなりました?


*みな、元気に生れたぞ*


 そうですか。

 赤ちゃんの、お母さんも?


*ああ、元気だ*


 会いたかったな、ちっちゃい皆に。

 でも、門は閉じた。

 皆を、守ったよね?


 ……質問をいいですか?


*手短にな*


 木山天狗さまって天狗さまですよね?


*そうだが?*


 では。

 パピーって何者なんです?


*!*


 私の魔力を封じたり、過去、旅をしたり、あ、私にとっては未来ですけど。

 あの巨人さん、はいったい何者なんです?


 朱槍の強化とか、凄いブレスとか。

 私がお父さんって、言うと、凄く喜ぶのです。


 パピーって何です?


*それには……答えられぬ*


 え?


*あのお方は、不可侵なのだ*


 あの……お方!?

 もしかして、炎の巨人さんの上位存在!?


 まさか!


*何も答えられぬ、許せ*


 余程の事情があるみたい?

 勇者や魔王のシステムについても?


*ああ、答えられぬ……いまケチ、と思ったな?*


 あわわわっ、ごめんなさい、少しだけです、ケチと思ったのは!


 ……私は上手く戦えたのでしょうか?


*真杖まで辿り着くとは、大したものだ*


 そうなのですか?


*ああ、それに人々の努力は凄いな*


 ?


*不安定、稚拙ではあるが、特にあのズッ友システムは感心したぞ、あのようなものを作り出すとはな、あれは、ドワーフの王がお前のことを思い、命を削って作り上げたモノだ*


 !


 炎の巨人さん、公認!王さま、きっと喜ぶ!私も王さまが誉められると嬉しい!


 それから、もう一ついいですか?


*なんだ?*


 ポシェットくん、私の名前を知っていました。秋津川さんって、彼、誰なんですか?


*それも答えられぬ、お前が思いださなければならないことだ。その方が彼も喜ぶ、ふふっ*


 ふふっ?


 頑張って思い出してみるか……私が、いなくなった後、みんな幸せだったんだろうか?元気に暮らせたんだろうか……。


*……*


 どうしたのですか?炎の巨人さん?


*お前は、あの世界の者達に、愛されていたぞ*


 !


 私は巨人さん言葉がとても嬉しく、笑ったけど、同時に涙が、流れた。


*ああ、時が満ちた、世界がお前を呼んでいる、次こそ摑め!*


 え?


*真杖は生きている、あの者は種を撒き散らし、植物のように増えるのだ*


 その時、異様な魔力を感じた。


 隕石のような巨大な固まりが、炎の巨人さんを強襲したのだ!


 ドオオオオオオンと大質量がぶつかる。


 そして轟き、周囲を破壊する乱暴な魔力!


 炎の巨人さんはその固まりを、いとも容易く右腕だけで振り払った。


*荒魂よ、この程度か?*


 虚空に向って叫ぶ炎の巨人さん。

 まさに炎の気性!


 私とお話ししている時とは、別人だ!

 ……人ではないか。


 あ!?そもそも、炎の巨人さんって、なんだ?


 ぶわっ、と炎の大地から浮かび上がる、真紅の燃える槍。


 次々に飛来する、恐ろしい固まりを燃える槍で粉砕する。


 挿絵(By みてみん)


 ……炎の巨人さんにも、敵がいる!?


*ギルガメシュよ、お前の友、エンキドウを忘れるなよ*


 き、巨人さん!?


 え!?


 雨のように降り注ぐ巨大な魔力。


 きゃっ!


 その内の一つが、私を直撃した!


 私は蝋燭の火がふっ、と消えるように、その場から消えた。

 いや、消えたのは炎の巨人さんだろうか?

 それとも、みんな吹飛ばされたのだろうか?


 魔力の直撃は、私の『何か』を壊した。



 雀の声。



 パチリ、と目が開く。


 また、夢を見た。

 あの巨人の夢だ。

 炎の巨人、何か、お話ししているのだが思い出せない!


 もどかしい!


 最近、変な夢をよく見る。


 子犬に変身する夢だったり、黄緑色のゴブリンみたいな怪物になって、怖い獣と戦ったり。


 ……ゲームのやり過ぎかな?


 あ、自己紹介!

 私の名前は秋津川空、そらと書いてアキと呼びます。


 からっぽのカラちゃんと言う悪友もいるけど、カラちゃんはあまり好きではない。


 現在、東野台陸中学の2年生だ。


 ……変な夢の数々……まさか、中二病発病ではあるまいな?

次回投稿は 2023/08/09 20時から21時の予定です。

台風の影響で変わるかもしれません。


サブタイトルは 好きでもイヤでも朝は来る です。


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よろしくお願い致します。




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