秀夜、諸説明を受ける
俺たちはその家に入った、なかは外の光を取り込めるようになっており明るかった、夜はなったら暗くなるそうだが日中は大丈夫そうだ。
家具も一通り揃えられており生活感があった。
真ん中にテーブルと椅子があり、上座の方に元輔が座っていた。
「来たか、そこに座ってくれ」
俺たちは促され元輔の反対側に座った。
少しして元輔が口を開いた。
「さあ何から話そうか、、、実は俺が人と話すのは一年振りなんだ、秀夜たちは久しぶりでもなんでもないかもしれないが、俺にとっては五年振りだ。」
わけがわからない、何を言っているんだこいつは、今朝学校で喋っただろう。
「まあこの話はまた今度にして、今は状況を説明しよう。最初にこの星は地球ではない、理由は色々あるが特に魔力や魔法、能力といったものが存在しているからだ。信じられないだろうから少し見せてやる。」
【ファイヤ】
元助は手のひらに魔法陣らしきものを浮かばせその上に小さい火を出してみせた、俺たちは同時に息を呑んだ。
「この様にこの星には魔力なるものとそれを使うための魔法がある。あと魔法などとは違う能力
というものがある、これは後で見せよう。」
俺はそのことを聞いてワクワクした。
魔法が使えるのは、全人類の夢だからな!
「次に今皆が陥っている状況について説明しょう」
「二人は今までゲーム風に言うと状態異常:気絶、保存という様な感じだった。今外でみんなが陥っている状態も同じような感じだ。」
分かりやすい例えだな、つまり意識がなくその状態が継続し、体の状態も維持されているってことかな。
でもどうやって元輔は俺らのことを起こしたのだろうか?魔法?スキル?いやそれなら俺らだけを起こした説明が付かない、もしかして魔法なんてものがあるくらいだからポーションみたいなものもあるのかな?
「続けてこれからの予定について、お願いしたいことがある。実は状態異常から回復する為には、治癒ポーションとフェイティングホーンを調合して作る気絶復帰薬が必要なんだが、、、その材料がここら辺には無い。」
「正確に言うと、非常に少ない、そんなに無い?って驚く程無い」
やった、合ってた!
だからみんなを起こすことが出来ないでいるんだな
ん?待てよ?その材料とやらがこの辺りに無いと言うことはもしかして、、
「だから二人にはその素材集めをしてきて欲しい、ついでに色々な素材もだ」
だよねー、うんそんな流れだと思ってたよ。
てかなんか、サラッと追加されてるし。
まあ、それは引き受けるとして。
「まあ、協力はしたいんだが俺らには、薬草の知識もサバイバルの知識も無いぞ?」
「安心しろ、それはこれから教える。しかもまだ重要な部分を話せていない」
「続きを話してもいいか?」
なんだろう重要なことって
いまは聞いてみるしかなさそうだ
「ああ、お願いする」
「さっき魔力のことについて話したが、それに関連して、この世界には魔物がいる。スライムやゴブリン、
なんかを見かけたことがあってな、その時は見つかって問答無用で襲い掛かられた、どう言う奴らなのかは正直分からない」
「でもこの辺りに魔物はほとんど出ない、出るのは魔獣って言って、獣が魔物化したみたいな奴だ。」
ほう、魔物がいるのかますますワクワクしてきた!
魔物を剣や魔法で倒す!これぞ異世界の醍醐味!
「ワクワクしているところ悪いが、続けるぞ?」
おっと、顔に出てしまっていたか
「すまない、頼む」
「二人に取ってきてもらいたいのが、(スリープホーンラビット)と、(アンチドッグ)、そして(回復草)だ、これらを大量に取ってきてほしい。」
「(スリープホーンラビット)と(アンチドッグ)は魔獣だ」
「前にこれらを見つけたのが山の方だったから、全部山で取れると思う。」
「あっそうだ、決して自分で作ろうとはしないでくれ」
なぜだ?その場で作って来た方が多分嵩張らないし、いいんじゃないか?
何か秘匿したい物があるのか?
「すまない、それはなぜだ?何か秘密にしたいものでもあるのか?」
「ああ、誤解を招くような言い方をしてしまったか、実は気絶復帰薬を作るのは、とても難しんだ。」
「まず集中出来る環境で、2〜3時間程度の作業をしてから成分を抽出し、そのうちスリープドッグの方の成分をアンチドッグの成分でうまい具合に反転させてそれを高濃度回復薬と合成する。トータルで6時間かかる作業だからその場では作れない。だから作らないでくれと行ったんだ。」
長々と説明ありがとう御座います。ああそうなんですねそりゃー、俺には無理でした。
俺にはそんな根性ねーですわ。
「へーそりゃすげぇわ、じゃそれはあんたに任せるわ俺たちは狩りでも採取でもなんでもすっからさ」
「ああ、お願いするよ。ところで何故言葉づかいが荒くなってるのかな?」
「そういえば瀬里さっきから話に入ってこないけどどうした?」
「眠い、、、おやすみ、、、」
「「寝るな!!」」