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クールなランチタイム
「ねぇ、七宮さんってクールだよね」
「そうそう、なに考えてるか分かんないっていうか」
「でもたまに、一人で嬉しそうに笑ってるときあるよね」
「確かに……。まぁ、なにか良いことあったのかもね」
「そだね。あれ、あそこにいるの、七宮さんじゃない?」
「ほんとだ。噂をすれば」
ここは大学のカフェテラスです。
ずるずる。
「ふぅ、美味しかった」
七宮さんは、ポンと手を合わせると、イスの背もたれに寄りかかります。
ちなみにお昼は釜玉うどんでした。
ぼんやりと空を眺めます。
さわやかな夏の風が、ふわふわのくせ毛を揺らしていきました。
「次の授業はなんだったかなあ」
白い雲が、のんびりと流れていきます。
「ほら見て、あの涼しげな顔」
「なんだか物憂げだね。なに考えてるんだろう」
「やっぱりクールよね」
「あの雲、パンダの肉球みたい……。可愛い……」
いつか触ってみたいなぁ。
七宮さんは、今日もしあわせ。
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