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ラッキーエッグ

 

「えーと、食パンと……」



 窓からはまぶしい光が差し込んできます。


 少しだけひんやりとした朝の空気があたりに立ち込めていました。



 小さなキッチンでは、香ばしい匂いがトースターから漂います。



 こぽこぽ。


 ダージリンのティーバッグが入ったカップに、湯気のたつケトルを傾けます。


 ふわりと深い茶葉の香りが立ち上りました。



 ほかほかのカップとトーストをリビングに並べます。


「あともう一品くらい……」


 さすがにこれだけでは味気ない気がします。



 七宮さんは冷蔵庫を覗きこみました。


「これでいっか」


 取り出したのは、卵です。



 こんこん。


 ヒビを入れます。反対側にも入れて、割れやすいようにしました。


 亀裂の部分に手を添え、油をひいたフライパンにカパリと中身を落としました。



「あ」


 じゅうじゅうと音をたてるフライパンの上には、丸くて黄色い黄身が二つ。



「ふたごだ!」


 七宮さんの瞳がキラキラと輝きます。


 ふわふわのくせ毛がピョコリと跳ねました。



 卵のふちがカリッとして、白身が固まったら完成です。


 お皿にのせて、食卓に運びます。



 テレビをつけると、占いがやっていました。


『おめでとうございます! 今日の一位はかに座のアナタ! 思いがけない幸せなことがあるかも。ラッキーアイテムはフライパンです!』



「一位!」


 七宮さんの口もとが嬉しそうにふにゃりとゆるみます。今日は朝から良いことばかりです。


 そっと両手を合わせました。




「いただきます」




七宮さんは今日もしあわせ。

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