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王国に決闘を申し込みます(5)

私は、アリスと対峙した。


騎士団長と剣を打ち合ったときにカナフィルディア伯爵から、嫌な魔力を感じた。

その後から、アリスは明らかに様子がおかしくなった。


何が起きたのかよく分かんないんだよね...

アリスに呪いっぽい魔法陣はかかってないかなあ...


アリスの体を確認しても、身体強化の魔法陣が見えるだけだ。


「アリス!あなたはアリスなの?」

「キミハ、何を言っているの?私はアリス!あなたは死んで!」


そう言って、アリスは地面を蹴って、加速魔法陣をかけ、瞬間移動のように私に迫る。

そして、私の左胸に剣を突き刺してくる。


意味がわからないんだけど!

アリスは私を殺したいの!?


「アリス!?」


私はギリギリで最低限で躱して、ナイフ型の魔剣でアリスの魔剣の軌道を少し、変える。

アリスは空いている左手で、ファイアボールの魔法陣を起動する。

左手に作ったファイアボールを手に握ったまま、私の体に押し付けようとしてくる。


何!ファイアーハンド?


「ちょ、アリス!危ないって!」


私は前方に地面を転がって、避ける。

間合いをとって、向き合って、小休止だ。


攻撃しにくいよ...

戦いますって言ってもない相手は斬れないよ...

アリスだって、こんな望まない戦いをしたくないはず...


操られているのか?

考えたくはないけど、アリスの裏切りか?

それとも、別の何かか?


アリスはいつもとは違う魔力の波動を体に纏っている。

目も魔物のように禍々しい目だ。


どうすればいい...


とりあえず、話をして聞いてみるか...


「アリス!私を殺したいの?」


私はアリスに話しかける。


「キミハ、あなたがいたら私は、学年序列1位になれない!」

「アリスは序列1位になりたいの?」

「いいえ、違います。私は王国の民を身分関係なく、幸せにしたい!」

「序列1位じゃなくてもいいんじゃないの?」

「いいえ、それも違います。私はお父様の娘です。平民より学年序列が低いなんて、示しがつかないじゃないですか!」

「アリス!」


アリスらしくない言葉を言い始める。

といっても、アリスはアリス。

アリスが言った言葉に違いはない。


身分は誰でも、気にしているもの。

それは貴族の方が平民よりも大切にしている傾向がある。

そんなことも分かっている...


私はアリスから身分の話が出て、動揺する。

悲しいよ...アリス...


アリスは私が動揺したのを見逃さなかった。

身体強化の魔法陣と加速の魔法陣の二重魔法陣で一気に私に迫る。


引いたら、斬られる!


私は、間合いを取る方向ではなく、間合いを詰める方向に動く。


「その手は、二度も使えません!」


アリスは叫ぶ。

アリスの剣は、私が避けると想定した軌道で振られていた。


くっ!


私は、とっさに、左手の魔剣でアリスの剣を受け止める。

が、剣を受ける体勢を整えていなかったので、地面の踏ん張りが効かない。

私は、アリスの剣撃に吹き飛ばされる。


アリスとは入学した頃に一度、決闘をした。

今のアリスは明らかにその時よりも強くなっている。

私も剣の鍛錬は毎日している。

私よりも剣の技術の伸びが著しい。


私は、吹き飛ばされた時にたくさんの擦り傷が身体中にできた。

魔力がなければ、アリーナの効力も届かないようだ。


私は地面に転がりながら、思わず笑ってしまった。


ふふふ、いつぶりだろう。

人との戦闘で怪我をしたのは...


「何を笑って馬鹿にしているんですか!人がこんなにも真剣に戦っているのに」


私は膝立ちになりながら答える。


「違うよ...」

「何が違うというんですか!」


私は静かに立ち上がる。


「称賛だよ...」


私は目を見開き、本気モードになる。

アリスは私の静かな本気に、一歩、後退した。


私は地面を強く蹴った。

最速スピードで走って、アリスに近づく。

今度は私から仕掛ける。


アリス、今のあなたが本物かも本心かもわからない。

アリス、今のあなたが偽物だったとしても...


アリスが真剣に望む決闘なら、私はしっかりと応える!

それがあなたを救うための突破口になるかもしれないから!


「アリス!」


私はアリスのブローチを狙って、ナイフを振る。

アリスは、一歩下がって、剣で受ける。


ナイフとロングサーベルでは、剣の間合いが違う。

間合いをとられると、ナイフが届かなくなる。


ナイフの良さもある。

それは、小回りが効くところ!


私は地面を蹴って、アリスとの間合いをつめる。

また、さっきと同じように、ブローチを斬る動作をする。

アリスは、先ほどのように一歩下がって剣で受けようとする。


アリスは一歩下がることでナイフの射程から完全に逃れているのだ。

一歩下がられたなら、一歩前出るしかない。


私はナイフを振り抜かずに、もう一歩前へ出た。

始めの斬る動作は、斬る()()をしたのだ。


アリスは、なっ、と驚いた。


アリスは、私が振り抜くものと考えて、剣で受けようとしていた。

完全に動作が遅れている。


アリス、これが私の本気だよ!


私の魔剣はアリスのブローチに到達した。

魔剣で斬ろうとしたとき、今度は私が思ってもみないことが起きる。


魔剣はアリスのブローチに到達する前に、バチバチと弾けて、何かに当たったのだ。


何?これ?

魔法陣?


アリスの体の前に大きな魔法陣のサークルが現れたのだ。

見たことがない魔法陣...


私がアリスの魔法陣に気を取られているうちに、アリスは私のナイフを剣の柄の先で受けた。

ナイフの軌道が変わり、私はアリスのブローチを破壊することに失敗する。


私は一度、間合いをとった。


やはり、アリスの体の前には大きな魔法陣が現れている。


何で、今まで魔法陣が見えなかったの?


魔法陣が見えるようになったのは私の魔剣が当たったから?


私の魔剣は特別製だ。

女神のガブちゃんがこの魔剣には宿っている。

ガブちゃんは、魔力を蓄えんと必死で、私がこの魔剣で魔法陣に触れると、触れた部分の魔力を吸収する。


私の魔剣が触れて、いきなり魔法陣が現れたということは、魔力的な何かで魔法陣を隠していた?

その魔力的な何かに魔剣が触れたから、それが無効になり、魔法陣が現れた?


魔法陣を隠すものって何?

普通に考えれば、魔法陣...

でも、私の魔剣は、魔法陣の触れたところの魔力を分解して吸収する。

魔法陣は複雑に、魔力が込められて、起動する。

そんな複雑な魔力の形を一気に分解できない...


例えば、円形の薄い魔力膜だったら、どんな大きさでも、この魔剣で一度触れれば、吸収できる。

円は最も魔力にとって、安定の形だから、魔力が安定している。

簡単に言えば、円形の薄い膜は魔力がひとまとまりの塊になっている。

もちろん、正方形の膜が作れたら、同じ分類になるけど、それは現実的ではないと思う。

円以外は難しい...

ヒカリならできるかもしれないけど...


魔法陣の場合は、部位ごとに塊になっていると考えたらいいと思う。


一瞬、触れただけで、何かが無効になったとしたら、それはおそらく、魔力の膜の類...


魔法陣を隠す魔力の膜なんてある?

魔力は魔力だからなあ...

隠してって思いをこめて魔力の膜を作ったところで意味を成さないんじゃない?

いや、感情によって魔力の性質が変わる論は否定はしないけどさ。

そんなことができたら、みんなやってるよ。

というか、そんな魔力の使い方があれば、暗殺が横行してしまうよ...


隠す魔力?

見えない魔力?


もしかして...


私は1つの結論に到達する。


光化魔力ならできるかもしれない...


光化魔力とは、私たちが使う魔力ではない。

完全光化した人たちが使う魔力...


完全光化とは、魔力器官から大きな出力の魔力を使った人の成れの果てだ。

身の丈に合わない規模の魔法陣を起動しようとして、魔力器官が空になるまで魔力を使ったりすると、体に光化の紋が出現する。その状態でさらに魔力を使うと、光化の紋が増えていき、全身全てが光化すると、全身が光となって散っていくのだ。


そこは魔物と一緒なのだ。ただ、魔物より人の体の優れている点は魔力器官を破壊されても、光となって散らないということ。これは人の進化の過程で得られたものかもしれない。


話を戻すけど、普通、人は完全光化すれば、すぐではないけど、一定期間で消滅する。

一定期間は一概には言えないけど、数日と言ったところだ。


しかし、ごく稀に、完全光化しても、消滅しない人がいる。

簡単に言えば、透明人間のような人たちだ...

この世界とは常軌を逸しない者たちであるが故、この世界には自らの体を持って、干渉することができない。

唯一、この世界に干渉できるのが魔法陣だ。


完全光化をした人たちが使う魔法陣は光化魔力が込められて起動する。

その部分は普通の魔力と変わらない。

厄介なところは、光化魔力自体を私たちには知覚できないところだ。

その魔力で魔法陣を覆えば、そこに魔法陣があると気づけないのだ。


魔法陣は天界の女神たちから与えられしものだ。

その力は、この世界に干渉できない完全光化した人たちも使えるのだ。


この話は全て、女神のガブちゃんの受け売りだ。

いつも、天界図書館で、完全光化したら大変だから気をつけなさいって注意されていた。


そうなると、王国の中枢まで...

あの惨劇の犠牲者の手が迫っているのかもしれない...


とりあえず、今はアリスだ。

仕掛けたのは、確実にカナフィルディア伯爵だ。

ただ、この魔法陣はウイルス型だ。

効力はわからないけど、それは、サークルの模様から分かる。

何人に伝染しているかはわからないけど、複数に伝染させる魔力を送り込んだ魔法陣使いは、魔力保有量が異常な量であることは確かだ。


魔法陣を切り裂いて、完全無効化するしかない。

魔法陣はサークルの一番外側の円に魔力が一番流れていて、そこから、中心に向かって、魔力が流れていく。

要は魔法陣のサークルを真っ二つに斬れば、魔法陣は無効化されるのだ。


まあ、魔法陣を斬ることができるのはこの魔剣だけだけどね...


方針は固まった。

アリスの魔法陣を斬ること、それだけ。


私は地面を蹴って、アリスに向かって、走り始める。


アリス!正気に戻って!


私はアリスをナイフの間合いに捉えて、左手の魔剣を振った。

アリスは剣で受け止める。

身体強化をしたアリスの剣を重く鋭い。

力押しでは完全に負ける。


そんな簡単じゃないのは分かっているよ...


私とアリスは一旦、距離を取る。


友達を救うためなら、やるしかないよ...


「アリス、いくよ...私の剣を受けて、死なないでよ」

「私は負けない!」


私とアリスは走り始める。

私とアリスは剣とナイフを振ろうとする。

アリスはここで、空いていた左手の掌を私に向ける。


何?


次の瞬間、嫌な魔力を感じる。


今!私に伝染した!?

魔法陣が起動する前に魔法陣を斬り裂かないと!


私は前方宙返りでアリスの剣を躱し、アリスの背後に着地した。

そして、ナイフ型の魔剣を、私に向けて、斬りつける。


バチバチと音が鳴って、魔法陣が現れ、それは無効化されて、消滅する。


私はアリスに向き直ろうとする。

しかし、そこにはアリスの剣が眼前まで迫っていた。


必死に避けようと試みるが、到底、躱せそうにない。


ま、間に合わない....


体のどこでも一太刀でも受ければ、魔力の波動を纏っていない私では、ダメージ超過でブローチが破壊されてしまう。


魔力を解放すれば、ダメージは抑えられるかな?


仕方がない!

アリスの斬撃のダメージを抑える魔力の波動を纏うためには相当量の魔力が必要だ。

そんな魔力を出力したら...

魔力に体が耐えられずに身体中が引き裂かれるかもしれない。


アリスのためのこの決闘で負けるくらいなら、死んだ方がマシだ!


私は魔力を解放しようとする。

そのとき、アリスの剣が止まった。


ど、どういうこと!


私は、アリスをしっかり視界に収める。

アリスが自分の右手を左手で抑えて、動かないようにしている。


「キ、キミハ、早く私を斬って...」

「アリス!?」


アリスの左手はいつもの禍々しくない魔力を纏っていた。

アリスの片目も、禍々しさを失っていた。


「は、速く!」


正気に戻った片目で私に訴える。

私は頷いて、アリスの魔法陣を斬り裂いた。

アリスの禍々しい魔力の波動は消失していった。

アリスはガクッと体から力が抜けて、倒れる。


相当量の魔力を常時吐き出しながら戦っていたためだろう。

流石のアリスも、魔力が空っぽなのだろう。


私はアリスを受け止める。

自然とアリスを膝枕する体勢になる。


「アリス!」

「ごめんなさい、キミハ...私、足手まといに...」

「うんん」

「それに、私の暴言の数々を謝ります...」

「覚えているの...?」

「ええ、全て、私の意識で動いていました。しかし、いつもの思考回路とは違うのです。自分の欲望の部分が大きく作用しているようでした...」

「あのとき、アリスがかけてくれた言葉は...アリスが思っていること...」

「そうですね...私が全く思っていないことと言えば嘘になります...」


私は、どのような顔をすればわからなくなる。


別にその辺の貴族にお前が平民の序列1位だから迷惑してるんだよって言われても特に何も思わないと思う。

私が大切に思っているアリスに言われたから、ちょっとこたえているのだと思う。


こういう時はなんて、言えばいいのだろうか。

アリスは私の顔を見て、さらに続ける。


「しかし、キミハ、言葉を足させて、頂いてもいいかしら」


私は力なく、頷く。


「キミハ、私はあなたより強くなりたいと思っているのは本当。あなたが学年序列1位だから、私が嫌な目を見ることももちろんあるの。私も未熟な人間だから、キミハが学年序列1位じゃなかったらって思うことはもちろんあります」


アリスは一度、微笑んで続ける。


「でもね、それと同時に私はキミハのことを尊敬しているのです。初めて、出会って、魔物から守ってもらった時、私は自分の非力さを痛感した。恵まれた環境にあぐらをかいていたことに気付かされた。私はあなたになりたいと思った。そんなあなたが私の上の序列にいるから、毎日の鍛錬の着火剤になる。私はあなたが序列1位だから、毎日、頑張れる。あなたと一度、決闘をしてからは特に、そう思うようになった。ごめんなさい、だから、今日は、あなたと決闘をしたのかもしれいわね。王国一の魔法陣使いのキミハさんと戦って、自分の実力を試したくて...私は王国一番の魔法陣使いになりたいの!そうすれば、この王国で一番、民を幸せにできるから!」


私はアリスに涙の雨を降らせている。


「アリス...」

「何で、あなたが泣いているのよ」


アリスは力ない笑顔を見せてくれる。


「アリス、ごめんね、私のせいで、辛い思いを...」

「だから、それよりも、あなたのおかげで鍛錬の励みになるって言ったでしょ」

「うん...私も毎日、努力して剣術を磨いていたつもりだったけど、明らかにアリスとの剣術の腕の差が縮まっていたよ...私の努力はアリスに及んでいない...」

「あなたにそうやって言ってもらえるなんて、嬉しいわ。これからも王国一の魔法陣使いとして、私の上に君臨し続けてね」

「うん...ありがと」


私は涙を灰色の装飾のついた袖で拭く。

私は大きく笑顔をアリスに見せる。

アリスはそんな私にホッとしたようだ。

私は今、頭にピンと来たことを言葉にする。


「アリスは、王国一の”王国一の魔法陣使いになりたい”魔法陣使いなんだね!」

「なーにそれ」


アリスは笑う。


「キミハ、あとは任せていいかしら。私の問題なのに...」

「アリス、それは言わない約束でしょ。親友のあなたの問題は私の問題でもあるんだから!」

「キミハ、ありがと。あと...」

「うん、分かってる。アリスのお父様も何とかしてみる」

「もう、あなたには敵いません...」

「アリス、ちょっと待っててね。すぐ片付けるから。この後、寮で祝勝パーティーしようね」

「はい...」


アリスは笑顔になりながら、涙を流し、静かに目を閉じる。


そのまま地面にアリスを転がすわけにはいかないよね...


私はアリスを膝に置いたまま、ブレザーを脱ぐ。

ブローチを外して、シャツの上に、直接、ブローチをつける。

ブレザーを畳んで枕を作って、アリスの頭の後ろに置いてあげる。


私はアリスの顔を見つめて、声をかける。


「アリス、あとは私に任せて...」


私は辺りを見渡す。


騎士団長が倒れるヒカリのところにいた。


ヒカリが騎士団長に負けた?

騎士団長もかなり消耗しているようだ。


騎士団長も私に気付いて歩いて近づいてくる。


「騎士団長、かなり消耗しているみたいですね」

「あのヒカリという女の子...お前が天才と言った意味がよく分かったよ。長く魔法陣での戦いをしてきたが、あんな魔法陣の使い方をする者は一度もあったことないよ」

「それはどーも、でも、勝ったんですね」

「もう一回やったら、勝てるかわからん。お前もボロボロじゃないか」

「まあ、ちょっと、トラブルが発生しましてね。でも、騎士団長を倒すには十分の力を残していますよ」

「ほお?」

「場所を移しましょうか、騎士団長のノーコンの剣で、可愛い彼女たちの顔が傷ついたりしたら、大変ですから」

「まあ、いいだろう」


私は、走る。

騎士団長は追いかける。


カナフィルディア伯爵の観覧席の前を陣取った。


さて、最終決戦といきますか。


私と騎士団長は、剣をしっかりと握って、構え直した。

次回も、決闘が続きます。

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