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初めての寮での朝ご飯

寮で迎える初めての朝が来た。

小鳥のさえずりが聞こえる。

清々しい朝日が私の顔に降りかかる。


うん、ただ単に、まだ、寮の窓にカーテンがついてなくて、小鳥の声がうるさくて、朝日が降りかかっただけだからね。

自然の美を感じるほど、私の心は綺麗じゃない。

カーテンも作らないとね。


隣ではすやすやと寝息を立てて、気持ちよさそうに寝ている女の子がいる。

この子の美というか可愛さは私にも分かる。

今なら、ウサギとかイヌをペットにしている人たちの心はわかる。

まあ、流石にドラゴンとか骸骨とかをペットにしている人たちの理解はできないけれど…


隣で寝息を立てている天使のほっぺを優しくつついてみる。ふにゃふにゃ。


「ふにゅにゅ」


天使は頬を少し、赤らめて、口角をあげて、エンジェルスマイルをみせる。


うん、相変わらずだよ、この子は。

生きている人々がみんなヒカリなら世界は平和だよねぇ。


少し想像してみる。


「ふにゅにゅ」

「ふにゅにゅ」

「ふにゅにゅ」


数人のヒカリがさっきのエンジェルスマイルをしている絵はなかなかの破壊力だ。


うん、世界が滅亡するね。いろんな意味で。


時刻は午前5時半を指している。

今日は先輩方の始業式なので授業は無い。

それに委員長会議も昼からだ。

まあ、早く起きる必要は無いんだけど、部屋の掃除とかは午前中に済ませておきたいので、もう、起きる事にした。


ベッド横の小さな机においた眼鏡を手に取って、かける。

茶色いリボンで手早くポニーテールをつくる。

制服を取りに、ホコリだらけの部屋に向かう。

サッと制服に着替えて、冷蔵の包みから、卵と食パンとマヨネーズと塩胡椒を取り出す。

朝ごはんに卵サンドを作るのだ。


一階の共同キッチンにたどり着いた私は電子レンジのところに行く。

昨日も確認したんだけど、再度確認する。


大丈夫だね。供給式だ。


私は卵サンドを作り始める。

まず、ボウルに卵を割る。

そして、粗くかき混ぜる。

ここで電子レンジだ。

少し加熱し、ボウルを取り出して様子を見る。


よし、少し固まっている。


ここで、少しかき混ぜる。

で、もう一回、レンジで温める。

もう一回温めて取り出すと、茹で卵の完成だ。

フォークを使って、ぐちゃぐちゃにして、マヨネーズと塩胡椒を投入する。

一度、味見をする。


もう少し、マヨネーズかな。


マヨネーズを足して、再度、味見をする。


うん、美味しい。


食パンを三角に半分に切って、真ん中にナイフを使って、切れ目をいれる。

ここから、さっきの卵をいれる。

これでレンジで簡単卵サンドの完成だ。

ヒカリは起きたかなと私は二階に戻ろうとする。

ちょうど、ヒカリが階段から降りてきていた。


「キミハちゃん…いい匂いがする」


ヒカリは眠気まな子を擦りながら、卵サンドの匂いにつられて降りてきたみたいだ。


「朝ごはんを作ってみたんだけど、食べてくれるかな」

「もちろん!食べたいっっっ!」


ヒカリはさっきまで眠そうだったのに、今の瞬間、元気になってくれたみたいだ。

私はヒカリをエントランスの席についてもらい、私は卵サンドをヒカリの前に置いてあげる。


「さあ、召し上がれ」

「わあ、美味しそう。いただきます」


ヒカリは卵を口の周りにつけながらほうばる。そして、笑顔になる。


「美味しいっっっ」

「よかった」


私も卵サンドを食べる。ヒカリが美味しそうに食べてくれるので一層、美味しく感じた。


「ヒカリは、今日はどうするの?」

「キミハちゃん、午前中はお部屋のお掃除するでしょ?手伝おうかなと」

「それは悪いよ」

「そんな事ないよ、ご飯作って貰っちゃったし、何かお返ししたいの」

「ご飯は私が勝手に作ってるんだから、お返しはいらないよ」

「じゃあ、私が勝手にキミハちゃんのお部屋をお掃除するもん」

「ふふふ、ヒカリ、あなた、意外と譲らないタイプなのね」


私はヒカリの意外な一面に思わず笑ってしまった。

ヒカリは少し俯いて、照れながら、私に言う。


「いつもはそんなことないんだけど、キミハちゃんとの関係は大事にしたいから」


不意にそんなことを言われ、私も照れる。


「うん、ありがと」


ヒカリにマウンントをとられ、思考力がゼロになってしまった私はそっけなく返事をした。

朝ごはんを食べた食器を片付け、私たちは私の部屋の掃除を始めた。

まず、掃き掃除をして、その後、拭き掃除だ。

部屋はそこまで大きくないので二人でやるとすぐに終わってしまった。

寮内を掃除して回ったヒカリはこの何倍もの広さを一人で掃除したのだからすごい。

空腹で倒れるのもわからなくもないかも知れない。


掃除が終わり、食事当番と共用スペースの掃除当番を決める事にした。

基本的には片方が食事当番の時はもう片方が掃除当番とした。

二人しかいないから、掃除当番は大変なので、この日はキッチン、この日は風呂場というふうにさらに細分化した。来年、人が増えたらいいね。それはそれで今度は食事当番が大変になりそうだけど。


そうこうしているうちにお昼になる。

お昼をササっと済まして、ヒカリに留守を頼み、委員長会議に向かった。

ちなみにヒカリは校内を探索するらしく、ちょっとしたら、寮からでるそうだ。

私も時間があれば校内の探索をしたいね。

短いですが、一旦切ります。

次回は、委員長会議に行きます!

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