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85.ぼっち少女のオーク迷宮攻略3


氷結フリーズ

氷槍アイスランス

雷槍サンダーランス

火球ファイアーボール

火嵐ファイアーストーム


 私はとにかく魔法を放ち続ける。

 いろいろな魔法を試しているけど、見た目がグロくなりそうなカッター系や、自分も危なくなりそうな「爆発エクスプロージョン」は使っていない。

 こんなときで気分が悪くなったらヤバいからね。


 一撃必殺は流石に無理だったけど、体力は確実に削れている。このままいけば、倒せるのも時間の問題だとは思うけど、問題もあった。

 私が攻撃している間も、オークアーマーBは着実に私に近づいて来ていた。

 魔法は鎧に防がれて、僅かしかダメージになっていない。このままオークアーマーBが近づいてきたら、近接戦ができない私には為すすべがない。

 だから私は、オークアーマーBを最優先で攻撃した。


 ちなみに、他の2体は、さっきから動いていない。

 オーク真・シューターAは、床に設置した大砲に重い鉄球をゆっくりとした動作で詰めて撃っているが、撃つタイミングが丸わかりだし、弾道もまっすぐで読みやすいので、避けるのは簡単だった。

 オーク真・ハンターCは、オーク真・シューターAとオークアーマーBの中間よりややシューター寄りの位置に立って、弓に矢を番え攻撃している。

 でも、矢はすべて、「防御結界プロテクトシールド」に防がれている。いつもより多めに魔力を使って張った結界は、強度も高い。矢の1本くらいなら、問題なく防ぐことができた。

 それでも、10本くらい当たるとヒビが入ってくるので、矢が止んだ時を狙って張り直している。

 もう何度も張り直しているせいで、魔力の減りも早い。

 魔力がなくなる前に倒さないと。




 オークアーマーB……もう面倒だからアーマーでいいや。アーマーとの距離が残り100メートルくらいになったところで、急にアーマーの体を薄茶色の光が覆った。

 すると、これまでゆっくりと歩いてきていたアーマーが、ものすごい速さで走ってきた。

 100メートルの距離が一気に縮まる。

 私は咄嗟に、一番火力のありそうな「爆発エクスプロージョン」を使った。

 手を伸ばせば届きそうな距離にまで迫ってきていたアーマーは、爆発をもろに受けて吹っ飛んだ。

 ただ、うっかり魔力を込めすぎてしまったので、ハンターの矢で脆くなってきていた「防御結界プロテクトシールド」を破って、自分にまで被害が及んでしまった。

 幸い、かすり傷だったので「治癒ヒール」ですぐに直せたけど、自分の攻撃でケガをするなんて。

 おまけに、今のでかなり使ったせいで、魔力も残り1割を切っている。

 これでアーマーを倒せていなかったら、今回は諦めて帰ろう。

 私は「防御結界プロテクトシールド」を張り直すと、黒焦げになっているアーマーを鑑定した。

 「オークアーマーBの死体」と出たので、何とか倒せたようだ。

 良かったー!



 あとは、ハンターとシューターか。

 とりあえず、地味に面倒な攻撃をしてくるシューターから倒そう。

 シューターのステータスはそんなに高くないから、砲撃さえ対策できれば脅威ではなく、大砲を避けて「氷槍アイスランス」を50本ほど当てると倒すことができた。


 残るはハンター1体だけ。

 ハンターは、私がシューターを倒している間に弓を捨て、背負っていた大きな斧を手に持って、近づいて来ていた。

 斧は体格の大きなオークが持つのに相応しい大きさで、刃の部分だけでも、ハンターの顔くらいはある。

 あれはヤバそうだ。

 時間があれば、あの斧も鑑定してステータスをチェックするんだけど、残念ながらそんな余裕はない。

 それに、ステータスがわかっても、私の低い物理防御力じゃ防げないのは目に見えている。

 ハンターの間合いに入る前に倒さないと、ヤラれる!

 ただ、魔力もだいぶ心許なくなってきたので、効率的にやる必要がある。

 最初の魔法の連発の時、アーマーの近くにいたハンターにも、魔法は当っていた。その時の状態から、ハンターに氷系の魔法が効くことはわかっている。よく見ると、体表の一部が凍っているし、間違いない。

 凍っているってことは、「氷結フリーズ」が効くってことだよね。なら、ここは確実な「氷結フリーズ」で行こうかな。

 ただ、残りの魔力では、オークの巨体全部を一撃で凍らせる威力は出せない。これまでの経験から、強い効果を出すには、それだけ魔力が必要だということがわかっているのだ。

 でも、ここまで来たんだから倒したい。

 私は必死に考えた。

 少ない魔力で高い効果を出す方法はない?今の私にできることで、何か…………………あ!そういえば、前に異世界ものの話を読んでいて、こんな話があったな。

 えーと、難しい説明は省いて、わかりやすく例えると、水の魔法を使うときに、バケツとかに水を用意しておいて、それを使って魔法を使ったほうが、より少ない魔力で魔法が使えるというものだ。

 「氷結フリーズ」も、そのまま凍らせるより、水をかけてから凍らせたほうが、凍りやすいのかもしれない。

 残りの魔力量からして、できるのは一回きり。でも、それ以外に方法は思いついてないし、一か八かやるしかない!


水球ウォーターボール

氷結フリーズ!』


 攻撃するためでなく、ハンターをずぶ濡れにするために、「水球ウォーターボール」を使う。続けて、「氷結フリーズ」でハンターを一気に凍らせる。

 魔力が残り10になるまで込めて放った渾身の一撃で、ハンターは、カチコチに凍りついた。

 鑑定しても「オーク真・ハンターCの死体」となっていたので、倒せたようだ。

 安堵した私は、思わずその場に座り込んだ。


 かなり危ない戦いだったけど、何とか勝った!

 ほんっとうに、良かったあー!!

 でも、もう二度とこんな戦いはしたくないな。


 私は、一度帰って、鍛え直してからもう一度来ることに決め、倒したオーク3体を「無限収納インベントリ」に収納すると、魔力の回復を待ってからオーク迷宮を出た。


 

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