51.ぼっち少女の成果確認
お風呂から上がって部屋に戻ると、私はベッドに腰掛けて、ステータスを確認した。
迷宮内では、ハティさんと親方がずっと一緒にいたから、確認していなかったのだ。
さて、どれくらい上がったかな?
『ステータス』
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トモリ・ユキハラ
【種族】人族
【性別】女性
【年齢】16
【職業】魔法使い、回復師
【レベル】16
【体力】2146/2146(+1010)
【魔力】2952/2952(+10)
【筋力】51(+10)
【防御】25(+560)
【命中】508(+10)
【回避】276(+10)
【知力】1090(+10)
【精神力】802(+10)
【速度】742(+10)
【運】53(+10)
【経験値】12868/96038
【称号】召喚者、万能者、神に祝福されし者、冒険者、スライム迷宮制覇、真・ゴブリン迷宮制覇、ウルフ迷宮制覇(3)
※魔法属性、スキル、異能は変更なしのため省略
ウルフ迷宮制覇(3)
【称号取得条件】3人でウルフ迷宮を攻略する
【効果】防御+50
魔法使い
【転職条件】
〔必要討伐数〕
ウルフ 各100
・アースウルフ(87/100)
・アイスウルフ(53/100)
・ウォーターウルフ(68/100)
・サンダーウルフ(96/100)
・サンドウルフ(104/100)
・スノーウルフ(47/100)
・バードウルフ(153/100 達成)
・パラライズウルフ(6/100)
・ファイアーウルフ(212/100 達成)
・プラントウルフ(88/100)
・ポイズンウルフ(11/100)
・ロックウルフ(127/100 達成)
※他は変更なしのため省略
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ステータスは、順調に上がっている。
一方、転職に必要な討伐数は、一部達成できていない。まあ、今回はひとりじゃなかったし、称号のこともあるから、また行くつもりだったからいいんだけど。
今回、ウルフ迷宮でもらった称号は「ウルフ迷宮制覇(3)」。後ろのカッコの中は、パーティー人数を表し、その数で割った分、称号の効果が減少しているらしい。
なお、カッコ内の数字より少ない人数のパーティーで再度攻略すると、称号が新しくなる。1番高い効果の称号になるのだ。
また、特典は、人数に関係なく攻略するたびにもらえるけど、スキルやギフトがもらえるのは一つの迷宮で一度だけ。一度その迷宮でスキルやギフトをもらったら、その後何度攻略しても、お金や素材のような、攻略しなくてももらえるようなものしかもらえないそうだ。まあ、中にはなかなか手に入らないレア素材をもらえることもあるから、同じ迷宮を何度も攻略する人は意外と多いそうだ。迷宮に潜って魔物を倒すだけでも、経験値と素材が手に入って稼ぎになるから、一石二鳥だよね。
少し話が脱線したけど、ステータスの確認を終えると、私は「無限収納」から一辺が3センチくらいの薄紫色をした透明なキューブを取り出した。
これは、迷宮を攻略したときに特典としてもらったものだ。複数人で攻略した場合、誰が何の特典をもらったか本人しかわからないようにするために、こんな形で渡されるのだそうだ。
レア素材が出た場合、パーティーの仲間どうしで取り合いになったりすることがあるから、特典をもらってもその場で開けないのが基本なのだとか。
ハティさんからその説明を受けた私は、もらったキューブを一度「無限収納」に仕舞い、宿に戻ってきてから開けることにしたのだ。
開け方はハティさんに教わっている。
私は、教わった通りにキューブに魔力を少し流す。すると、キューブは魔力に反応して淡く光った。キューブ全体が光に包まれて見えなくなると、手に持ったキューブの感触が一瞬消え、別のものがのっている感触に変わった。
そして、光が収まると、キューブを持っていた右手の手のひらには、迷宮でハティさんたちが使っていたのと同じタイプの小瓶が3つあった。ただ、この小瓶の中身の液体の色は、オレンジ色じゃなくて、青汁のような濃い緑色だった。
鑑定してみると、中級体力回復薬だった。
……今日の成果は、防御+50の称号と、中級体力回復薬3個、それから、途中で倒したウルフの素材が少し。
今までと比べると明らかに少ない。
やっぱり、3人で行ったからなのかな?
いや、素材が少ないのは、私が回収しなかったからだけど、攻略特典がしょぼいのは私のせいじゃないよね?
攻略にかかった時間はいつもより長いし、他人がいるからいろいろと気を遣うことも多かった。素材も全然集められなかったし、攻略報酬は人数で割られていつもの3分の1でかなり少ない。
今日は、なんか、骨折り損のくたびれ儲けな気がする……。
私は、中級体力回復薬を「無限収納」に仕舞うと、ごろんとベッドに寝転んだ。
天井を見上げ、はあ……と大きく溜息をつくと、軽く目を閉じて考える。
今日、このまま終わりにしたら、ものすごく無駄な一日だったという気になってしまう。それは嫌だ。
私は、無駄が嫌いだ。一日を無駄に過ごすなんて耐えられない。
だから、夕食までまだ時間があるし、その間に何かしようと考えた。
お風呂に入ってしまったから、外に出たくない。となると、部屋でできることだけど、何かあるかな?
この世界に来てからの記憶を辿っていった。そして、私はこの後することを思いつき、体を起こしてベッドから立ち上がった。




