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41.ぼっち少女の多忙な一日5


 いきなり話が飛んで、ちょっと理解が追い付かない。

 初めて会ったときもそうだったけど、ハティさんってときどき話が飛ぶんだよね……。

 私は、足りない情報を地面に文字を書いてハティさんに聞いていった。

 それで、聞いた内容を要約すると、こんな感じ。


 ハティさんは、私が受けた依頼内容をアニタさんから聞いて知っていた。

 それで、ちょうど外に出てきているし、オークキングも早く倒せて時間があるから、ついでに他の依頼――バードスライムの羽根とプラントスライムの蔦の採集依頼も終わらせてから帰った方がいいと思ったらしい。


 でも、このまま行くとなると、ハティさんはどうしよう?

 そう思って聞いてみると、自分もスライム迷宮についていくと言い出した。

 私はかなり困った。ハティさんがいると、全力が出せない。移動は、バレてしまった「転移テレポーテーション」で済ませればすぐだからいいとして、問題はスライムの討伐と素材の回収だ。

 水属性以外の魔法は使えないし、バードスライムの羽根を集めるのに便利な「無限収納インベントリ」も使えないから、ものすごく手間がかかる。正直、ハティさんはいないほうが圧倒的にラクだ。

 私は、依頼量が多いから時間がかかるとか、ひとりの方が動きやすいとかいろいろと理由をつけてハティさんを説得したけど、諦めてはくれなかった。

 結局、私が折れて、一緒にスライム迷宮に行くことになった。





 私は先に、バードスライムの羽根から集めることにした。

 ハティさんを連れて、スライム迷宮の第3層と第4層を繋ぐ階段に転移すると、階段を上って第3層のバードスライムがいる場所に向かって歩いていった。

 バードスライムを見つけると、「風刃ウィンドカッター」に効果が似ている「水刃ウォーターカッター」を使ってバードスライムを倒し、羽根を拾っていった。

 羽根の収集は、ハティさんが手伝ってくれたから、なんとかなった。

 私は、ハティさんが羽根を拾っている間にも、バードスライムを倒していった。そのとき、ハティさんがこっちを見ていないのを確認すると、こっそり「無限収納インベントリ」に一括収納していった。

 だって、1枚ずつギルドカードに収納するより、「無限収納インベントリ」に一括収納する方がラクなんだもの。

 そして、依頼の250枚の羽根が集まると、今度は第1層と第2層を繋ぐ階段に転移すると、階段を下って第2層に向かった。



 第2層の最初の森エリアには、ロックスライムがいる。いちいち戦うのは面倒だから、「地図マップ」を見ながらロックスライムがいない道を選んで歩いた。

 歩きながら、ハティさんと話をした。話といっても、私は聞いているだけだったけど。

 そのとき、私がバードスライムの羽根をギルドカードではなく「無限収納インベントリ」に仕舞っているところを見られていたことを知った。

 ついでに、集落で倒したノーマルオークやオークキング、アースウルフも「無限収納インベントリ」に入っているんじゃないかと指摘されたので、そうだと答えておいた。知られてしまったのなら、変に嘘をつくより認めてしまった方がラクだと思ったのだ。

 それから、ギルドに戻ったら、オークキングやノーマルオークは解体しないで売ってほしいと頼まれた。この辺りでオークが出現するのは珍しいから、解体部の練習に使いたいそうだ。

 解体した方が高く売れるしどうしようかと思っていると、解体手数料は差し引かない金額で買い取ると言ってくれたので、快諾した。

 そんなことを話しているうちに、私たちはプラントスライムがいる茂みエリアに辿り着いた。



 今回は、ハティさんのおかげでプラントスライムは比較的簡単に倒せた。

 私がプラントスライムを見つけ、ハティさんがおびき寄せ、私が魔法で凍らせて倒すという連携作業でどんどん倒していった。

 倒したプラントスライムは、素材の部分の蔦だけ残して消えるので、蔦の回収もやりやすかった。

 結果的に、ハティさんを連れてきてよかったと思った。



 2時間かけてプラントスライムの蔦を集めた私たちは、「転移テレポーテーション」でギルマスの部屋に戻った。

 ここなら誰かに見られる心配はないし、すぐにアニタさんに知らせに行ける。

 私たちは、ハティさんが着替えるのを待ってから下に降りていった。



 私の依頼達成処理は、アニタさんがやってくれた。

 バードスライムの羽根とプラントスライムの蔦の採集依頼は、そのまま処理したけど、討伐依頼の方は、特別な処理が必要だそうで、後日になった。

 そのとき、採集依頼の方の報酬もまとめて受け取ることにした。

 あまり細かいお金が増えても困るし、換金するのも面倒だから、できるだけまとめて、大きい金額で受け取る方がいいと思ったのだ。

 オークの売却も、そのとき行うことになった。

 この辺では珍しい素材だから、いきなり持っていくと騒ぎになる可能性があるため、先にハティさんが話をしておくそうだ。

 私は、ハティさんから必要な説明を聞くと、ギルドをあとにした。


 もう2時過ぎてるけど、まだお昼を食べていない。

 でも、今日は結構歩き回って疲れたから、ほっこり亭に戻って昼食を取ることにした。



 ほっこり亭で、昼食を取った私は、部屋に戻って着替えると、ベッドに横になった。

 お昼寝のつもりで、2時間後にアラームをかけ、眠りについた。

 おやすみなさい……。


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