表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/172

40.ぼっち少女の多忙な一日4


 私たちは、狭い場所で、体長3メートル弱の大きなオークキングから必死に逃げ回っていた。

 私は、隙を見てオークキングのステータスを鑑定した。



◆◇◇◇◇◇◆◇◇◇◇◇◆


オークキング

【職業】キング

【特徴】オークのキング。かなり強い?

【固有スキル】王の特権キングズ・プリヴィレッジ


【レベル】216

【体力】68588/68588

【魔力】28515/28515

【筋力】6955

【防御】6803

【命中】6788

【回避】6670

【知力】6855

【精神力】6786

【速度】6668

【運】6788





王の特権キングズ・プリヴィレッジ

【発動】任意

【説明】全ステータス値を高める。最大2倍。効果時間は5分。

【使用方法】スキル名を唱える。


◆◇◇◇◆◇◇◇◆◇◇◇◆



 オークキングのステータスは意外と高い。ゴブリンエンペラーに勝るとも劣らないレベルだ。

 でも、固有スキル「王の特権キングズ・プリヴィレッジⅠ」は、上昇の最大値が2倍だし、効果時間も短いから、ゴブリンエンペラーの固有スキル「皇帝の特権エンペラーズ・プリヴィレッジⅠ」と比べるとまだマシだ。

 それに、オークキングは魔法はあまり得意じゃないようで、私やハティさんの魔法攻撃はほとんど防がれることはなかった。

 ただ、ゴブリンエンペラーのように体力も防御力も高いから、攻撃がほとんど効いていない。

 ハティさんは、時折剣で斬りかかったりしているけど、ほとんど効いてないようだった。


 私は、異能「並列思考マルチタスク」を使って、攻撃と回避をしながらハティさんの様子を見て作戦を考える。

 オークキングは、力は強いけど、その太った体型のせいか動きは遅いから、「身体強化フィジカル・ブースト」を使わなくても余裕をもって避けられる。

 でも、場所が狭いせいで、ずっと動き回っていなければいけないし、攻撃も、ハティさんに当たらないように気をつけないといけないから、決定打を打てずに攻めあぐねていた。



 オークキングとの戦闘が始まって10分が経った。

 その間ずっと走って逃げ回ったり、攻撃のために魔法を使ったりして、だんだん疲れてきた。

 途中、オークキングが固有スキルを使ったせいで、結構本気で逃げるハメになったけど、二人とも大きなケガをすることなく、効果時間が切れた。

 私は、高いステータスと、連日の迷宮攻略のおかげで、体力にはまだ余裕があるけど、見た感じハティさんはそろそろキツそうだ。

 うーん。ハティさんがいると、全力が出せないんだよなぁ。

 ハティさんには本当の実力は隠したままだし、今はまだ、話すつもりはない。利用されたくないし。

 それに、狭いから、前衛のハティさんがなかなか射線から外れてくれない。これじゃあ大規模な魔法が打てないよ……。

 私は、後方でハティさんの補助をしながら、ひたすら機会を伺っていた。



 それから3分後。一気に状況が動いた。

 再び固有スキル「王の特権キングズ・プリヴィレッジⅠ」を使ったオークキングにハティさんが殴り飛ばされた。

 ハティさんは、地面に叩きつけられたけど、うまく受け身をとったようで、叩きつけられた勢いのまま数メートルゴロゴロと転がると、ひょっこりと起き上がった。

 ところどころ切れて出血しているけど、大きなケガはなさそうで安心した私は、ようやくハティさんから離れてくれたオークキングに向けて魔法を使った。


凍結フリーズ


 オークキングは一瞬で全身氷漬けになり、絶命した。一撃で倒せたのは、ここまで地道に体力を削っていた成果だ。

 鑑定で確かめると、オークキングの死体になっている。

 私は、「凍結解除アンフリーズ」でオークキングを解凍すると、ギルドカードをかざしながら「無限収納インベントリ」に収納した。

 そして、ケガをしたハティさんに駆け寄った。



 ハティさんの傷は、私が駆けつけたときにはもうほとんど塞がっていた。

 さすがに破れた服までは直せないみたいだけど、出血は収まっているし、傷跡もほとんどなくなっている。

 回復系のスキルか異能でも持ってるのかな?

 気になったけど、今はそれを聞く手段はないので諦めた。

 私がハティさんを観察していると、ハティさんが言った。


「ごめんなさい。私、足手まといだったわね。私がいなければ、トモリちゃんはもっと早くオークキングを倒せてた。そうでしょう?」


 私は返答に困った。

 確かにハティさんの言うとおりだけど、素直に頷くのは、無遠慮な気がする。

 でも、ハティさんの顔を見て、考えを変えた。余計な気遣いは無用といった表情をしていたからだ。私は、頷くことにした。


「そう。やっぱり、トモリちゃんはすごいわね…………」


 そこで言葉を切って、一息つくと、今度は明るい声で言った。


「それで、このあとだけど、トモリちゃん、まだ依頼残ってるでしょう?ついでに片付けていかない?」


 ハティさんはそう言ってにっこりと微笑んだ。

 

2020/3/10 オークキングのステータスを大幅に上方修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ