27.ぼっち少女のスライム迷宮攻略10
通信が終わってから数分後。
私は、ステータスを確認していた。
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トモリ・ユキハラ
【種族】人族
【性別】女性
【年齢】16
【職業】魔法使い、回復師
【レベル】12
【体力】829/829(+10)
【魔力】858/858(+10)
【筋力】47(+10)
【防御】21(+10)
【命中】107(+10)
【回避】69(+10)
【知力】300(+10)
【精神力】206(+10)
【速度】146(+10)
【運】49(+10)
【経験値】5945/7384
【魔法属性】無、水、火、風、光
【スキル】無限収納、解体
想像創造(※コマンド略)
【称号】召喚者、万能者、神に祝福されし者、冒険者、スライム迷宮制覇
※異能は変更なしのため省略
解体
【発動】任意
【説明】対象を任意に解体する。無限収納内での使用も可能。
【使用方法】スキル名を唱える。
スライム迷宮制覇
【称号取得条件】ひとりでスライム迷宮を攻略する
【効果】ステータス全項目+10
魔法使い
【転職条件】
〔必要討伐数〕
スライム 各100 達成
・アイススライム(197/100 達成)
・ウォータースライム(105/100 達成)
・サンダースライム(106/100 達成)
・サンドスライム(176/100 達成)
・スノースライム(181/100 達成)
・バードスライム(103/100 達成)
・パラライズスライム(108/100 達成)
・ファイアースライム(230/100 達成)
・プラントスライム(124/100 達成)
・ポイズンスライム(104/100 達成)
・ロックスライム(108/100 達成)
※以下変更なしのため省略
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迷宮に入る前と比べて、ステータスも伸びたし、転職に必要なスライムの討伐数も達成できた。
初迷宮にしては、上々の戦果だ。
初めての迷宮攻略を無事に終えられたことに満足した私は、「転移」で一気に人のいない街の近くの森まで移動すると、普通に歩いてフィルリアの街に戻った。
歩きながら、無限収納に入っているアースウルフを解体していく。
いちいち外に出さずに解体ができるから、こういうスキマ時間にできて、すごく便利だと思った。
ちょうど全部の解体が終わった頃、私は街に辿り着いた。
街に着くと、真っ先に冒険者ギルドに向かった。
時刻はお昼時を少し過ぎた午後1時47分。
食事スペースにいる冒険者も、昨日と比べると少なかった。
私は、受付にアニタさんがいないか探す。
アニタさんの赤い髪は目立つので、すぐにわかった。
私がアニタさんのいるカウンターに向かって歩いていくと、アニタさんも私に気が付いた。
「あれ、トモリさん。今日はどうしたんですか?」
私は、「依頼報告」と紙に書いて、ギルドカードと一緒に渡した。
「依頼ですか。今朝はお見掛けしませんでしたから、常時依頼ですか?」
依頼達成処理をしながらアニタさんが聞いてきたので、頷く。
私の反応を見ると、アニタさんはコピー機のような機械から出てきた達成した依頼が書かれた紙を何気なく見て、驚きの声を上げた。
「えっ!?」
……私、また何かやっちゃったかな?
確か、今回は、バードスライムの羽根の採集の常時依頼……あ!達成数を調整するのを忘れてた!
ギルドカードに入れた素材は、取り出すこともできる。そして、採集依頼の場合、素材を取り出すと依頼の採集数も減るのだ。
それがわかったときに、さすがに13回の依頼達成は多すぎるから、あとで減らしておこうと思ったんだけど、すっかり忘れていた。
だから、私のギルドカードには、バードスライムの羽根が689枚入っている。
いくら、雑魚のスライムで、バードスライムの羽根は一匹につき5~10枚入手できるとはいえ、一日で689枚も集めるのはおかしすぎる。
どうしよう。
私が困っていると、アニタさんの後ろにハティさんの姿が見えた。
これは、さらに厄介なことになりそうな予感……。
「どうしたの?……って、またあなたなの、トモリ?」
ハティさんに気付かれてしまった。
アニタさんは振り返ると、ハティさんに紙を渡す。
それを見たハティさんは、はあ、と溜息をついた。
「…………ちょっと、上まで来てちょうだい」
私は昨日に引き続き、アニタさんと一緒にギルマスの部屋に行くことになった。
ギルマスの部屋で、スライム迷宮を攻略したことと、バードスライムの羽根はそこで集めたものであることを説明すると、一応わかってもらえた。
でも、冒険者になって3日目で、最下級とはいえ、迷宮をひとりで攻略したことは、かなり非常識だと言われた。
戦闘経験があるのか聞かれたので、これからも変な疑いを掛けられないように、「魔法で少し」と答えておいた。RPGを魔法系職業でプレイしていたことがあるから、全くの嘘ってわけじゃない……よね?
昨日、無詠唱で魔法を発動させたことを思い出したのか、ふたりはすんなり納得してくれた。
最後に、ハティさんから、少しは自重するように釘を刺された。私も目立ちたくはないので、程々にすると答えておいた。
でも、誰も見てないところでは、自重する気なんてサラサラない。誰もいないときまで気を使うなんて、そんな面倒なことしたくないもの。
アニタさんとギルマスの部屋をあとにした私は、受付で依頼報酬の銀貨3枚と銅貨52枚と銭貨4枚をもらって、冒険者ギルドをあとにした。
残りの素材は、しばらく売るつもりはない。
アースウルフの素材の中には、転職に必要な素材があるし、バードスライムの羽根も、回復薬を自作するときに使えるかもしれないからだ。
回復薬は、買うより自作する方が圧倒的に安上がりなことが多い。それに、余ったら売ってお金にすることもできるはず。
こんなふうに、素材の使い道はたくさんあるから、今はとっておくことにしたのだ。
私は、近くの屋台を適当に冷やかして昼食を済ませると、ほっこり亭に行った。
受付にいたカリーナに、またしばらく泊まりたいと伝えると、喜んで了承してくれた。
今回は、お金に余裕があるから、お風呂付きで5日泊まることにした。
また3号室の鍵をもらって、部屋に行く。
同じ部屋が空いていて良かった。
お風呂は、今からでも入れるというので、部屋で替えの下着を創ってお風呂に入った。
こっちのお風呂も、元の世界と同じで、湯船があった。
私は、体の汚れを落とすと、湯船に浸かる。
はあ……。やっぱり、お風呂は癒やされるなぁ……。
次話は、閑話の予定です。




