24.ぼっち少女のスライム迷宮攻略7
私は、「探索」でスライムの位置を確かめながら通路を進む。
パラライズスライムのエリアから、ポイズンスライムのエリアに移動していたけど、やることはこれまでと特に変わらない。
通路で遭遇したポイズンスライムを魔法で倒し、小部屋に集まっているポイズンスライムを魔法で倒す。
概算で100匹倒す前に階段の近くに辿り着いてしまったので、少し寄り道をして足りない分を倒してから、階段に行った。
ちなみに、ポイズンスライムのステータスは、麻痺と毒の違い以外は、パラライズスライムとほぼ同じだった。
似てるからって手を抜きすぎだと思った。
階段に着くと、降りながらステータスで討伐数を確認する。
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魔法使い
【転職条件】
〔必要討伐数〕
スライム 各100 達成
・アイススライム(194/100 達成)
・ウォータースライム(102/100 達成)
・サンダースライム(103/100 達成)
・サンドスライム(173/100 達成)
・スノースライム(178/100 達成)
・バードスライム(100/100 達成)
・パラライズスライム(105/100 達成)
・ファイアースライム(227/100 達成)
・プラントスライム(121/100 達成)
・ポイズンスライム(101/100 達成)
・ロックスライム(105/100 達成)
※以下変更なしのため省略
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スライムの必要討伐数は達成できたようだ。
ということは、これで、スライムは全部で11種類だということがわかったわけか。
11種類×100匹……。たった数時間で、1100匹も倒したことになるんだね。
全然実感がないけど、改めて考えるとすごいな、私。
目標を達成できたことが嬉しくて、思わず自画自賛してしまった。
そんなことをしていると、階段が残り数段になった。
スライムは全種類出てきたのに、まだ迷宮は続いているようだ。
ここから先には何があるんだろう?
私は、慎重に階段を降りていき、第6層に足を踏み入れた。
階段を降りると、目の前に高さが5メートルはありそうな大きな扉があった。
「地図」を見ると、第6層には円形の大部屋と、その奥に四角い小部屋があって、この扉は、大部屋に続いているようだ。
状況から考えて、ボス部屋かな?迷宮の最後には、ボスがいるのがお約束だし。
スライムのボスってどんなのかな。大きいスライムとかかな?
私は、ボス部屋に向かって歩きながら、スライムのボスについて想像を膨らませた。
ボス部屋前の大きくて重そうな扉は、私が少し手を触れると、勝手に開いていった。
半自動ドアだ。どうやって開けようか困っていたから、助かった。
私は、「探索」を使いながらゆっくりとボス部屋に足を踏み入れた。
今のところ、「探索」には何の反応もない。
完全に中に入らないと出現しないパターンかな?
そう思って、警戒しながら部屋の中央に進んでいった。
私が部屋の中央より数メートル入口よりのところまで来たところで、いきなり目の前が光った。
眩い光に反射的に目を腕で覆ったけど、ギリギリ間に合わなかったようで、目が眩んで前が良く見えない。
私は、急いで「異常回復」を使って視界を回復すると、前を見た。
部屋の中央から向こう側には、色とりどりのスライムが並んでいた。
鑑定してみると、11種類のスライムの各A~Cがそれぞれ1匹ずついるようだ。
つまり、全部で33匹。まあ、私にとって、スライム33匹なんて大したことはない。範囲攻撃魔法を使えば一発で全滅させられる。
そう思うと、余裕が出てきた。「探索」にも、目の前にいるスライム以外の敵影はない。
私は、一つ深呼吸をすると、魔法を唱えた。
『凍結』
これで、氷でできているアイススライム以外は倒せた。
そして、残るアイススライムは、周りの凍ったスライムごと「火嵐」で倒した。
凍らせてから火で溶かしたから、プラントスライムも、バードスライムも、何も残さず消えていった。
まあ、素材は間に合ってるからいいけどね。
すべてのスライムが消えると、部屋の奥にある、入口より小さい扉が開いた。
どうやら、ボス戦?はこれで終わりらしい。あまりにもあっけなさ過ぎて拍子抜けしてしまった。
ステータスを確認すると、更新されていたから、戦闘が終わっていることは確実だろう。
この階層は、他と違って、階段に行かなくても更新されるみたいだった。
私は、念のため、「探索」を使いながら奥の部屋に向かった。
扉の前に来ても、特に敵はいないようだったので、扉を押して中に入った。
その部屋は、中央に水晶とその台座がおいてあるだけの場所だった。
壁には青い光を放つ照明がいくつか置いてあり、室内を淡く照らしている。
私は、罠かどうか判別するため、水晶を鑑定してみた。
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スライム迷宮の核水晶
【説明】スライム迷宮の核となっている水晶。攻略者が触れると、攻略判定や特典の授与を行う。
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鑑定結果を見る限り、罠ではなさそうだ。
私は、恐る恐る水晶に手を伸ばす。
指先が水晶に触れた瞬間、水晶が淡い紫色に輝き出した。
私は、水晶に触れたまま、光が収まるのを待つ。
10秒ほど経つと、光は収まった。でも、代わりに、予想外のことが起こった。
水晶が薄桃色に光ったと思ったら、手のひらサイズの人が現れたのだ。




