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19.ぼっち少女のスライム迷宮攻略2


 私は「光球ライトボール」を明かり代わりにして、階段を下っていく。

 石でできた内部はひんやりとしていて、外よりも気温が低かった。

 一昨日まで夏真っ盛りのところにいた私は、まだ低い気温に慣れていなくて、余計に寒く感じた。

 長時間耐えられる気温ではなかったので、動きやすくて脱ぎ着しやすいパーカーを創り、ローブの下に着た。

 ちょうど着終わった頃、私は階段を降り切った。



 降りた先も暗かった。明かりが届く範囲にも限界があるため、あまり遠くはわからない。今より明るくすることもできるけど、そうすると消費魔力量も増えるから、節約のためにもこれ以上明るくするのはやめておく。

 一応、用心のために「探索サーチ」を使い、死角から襲われないようにしておくことにした。


 結果を知るために「地図マップ」を開くと、迷宮の地図と敵を示すアイコンが表示された。

 迷宮の地図は外のものと違い、同じ階層なら、まだ行っていないところまで表示されるらしい。次の階に続く階段を探す手間が省けたから助かった。

 私は、地図に表示されたアイコンをタップする。数十はあるアイコンのうち、数個を適当に選んでタップしてみると、どれもウォータースライムだった。ただし、その中の1匹はウォータースライムCだった。

 ……A、Bに続き、Cもあるんだね。

 私はとりあえず、次の階に続く階段までの最短ルートを進むことにした。




 地図を見ながら通路を進むと、5匹のウォータースライムAに遭遇した。どれもレベル1の雑魚だったので、「風嵐ウィンドストーム」で瞬殺した。

 さらに進むと、また5匹のウォータースライムA(レベル1)に遭遇した。雑魚で余裕があるから、新しく創った魔法のうち、まだ使っていない魔法の練習をすることに決め、「水嵐ウォーターストーム」で瞬殺した。

 またさらに進むと、今度は3匹のウォータースライムA(レベル2)に遭遇した。これは、「火球ファイアーボール」で1匹ずつ瞬殺した。

 そうして、遭遇したウォータースライムを倒しながら通路を進んでいく。

 時々5メートル四方の小部屋があって、そこに固まっていたウォータースライムを一掃しながら進んでいった。



 そして、進むこと30分。私は、スライムを倒したあとの部屋で小休憩を取っていた。

 迷宮に入ってから、ここまでで、ウォータースライムAを37匹と、ウォータースライムBを52匹の計89匹を倒した。

 何匹も固まって出るので、数が稼げて効率がいい。

 これなら、レベルも上がっているだろうと思って、ステータスを確認するが、変化はなかった。

 迷宮内は外と違って、目の前の敵を全て倒しても経験値が入らないようになっているみたいだ。

 でも、経験値がまったく入らないってことはないだろうから、どこかで入るんだろう。しばらくは休憩の度に確認するようにしよう。

 私は、街を出るときに買ったリンゴジュースを飲んで水分補給をすると、小部屋を後にした。



 部屋を出ると、また階段を目指して最短距離で進む。次に遭遇した魔物は、1匹のウォータースライムCだった。



◆◇◇◇◇◇◆◇◇◇◇◇◆


ウォータースライムC

【属性】水

【特徴】青いスライム。雑魚?ただし回避能力と逃げ足だけは早い。

【固有スキル】水体ウォーター・ボディ加速アクセラレーション


【レベル】7

【体力】86/86

【魔力】35/35

【筋力】6

【防御】6

【命中】15

【回避】11

【知力】18

【精神力】18

【速度】12

【運】6



◆◇◇◇◆◇◇◇◆◇◇◇◆



 相変わらず、特徴の説明がおかしいけど、慣れてきたのか笑うことはなかった。

 ウォータースライムCは、固有スキルを2つも持っていた。すばしっこいみたいだけど、どれくらい早いんだろう?

 気になったけど、検証するのも面倒なので、とっとと倒してしまうことにする。


風刃ウィンドカッター


 ウォータースライムCを狙って、魔法を放つ。魔法を放った瞬間、身の危険を感じたのか、ウォータースライムCは大きく跳び上がろうとした。

 でも、私の魔法の方が早く、ウォータースライムCは、あっさりと真っ二つになった。

 今回は、到達速度の早い「風刃ウィンドカッター」だったから間に合ったけど、他の魔法だったら危なかったかも。ウォータースライムCには、速い魔法を使うようにしよう。スライムごときに手こずりたくないもんね。



 その後、ウォータースライムCを12匹倒すと、通路の先に下に続く階段が見えてきた。私は、「探索サーチ」で魔物やトラップを警戒しつつ、階段に向かう。

 途中、別の通路との合流地点で、横からスライムがやってきたので、階段まで走った。交差点で戦うと、後ろから襲われる可能性があるから、できるだけ避けたかったのだ。

 私は、階段を数段降りると通路の方を向いてスライムが来るのを待った。

 でも、さっきまで私を追いかけていたスライムは、階段の入り口で見えない壁に阻まれた。

 そして、一度壁にぶつかったスライムは、私を追いかけるのを諦めて元来た道を戻っていった。


 スライムが見えなくなると、私はほっと一息ついて、階段を下っていった。どうやら、階段は安全地帯らしく、ここに逃げ込めば敵から逃れられるようだ。

 迷宮内に安全地帯があることに安堵した私は、足取り軽く、階段を降りていった。




 しばらく降りると、階段の先に光が見えた。どうやら、次の階には明かりがあるらしい。

 私は、階段にも十分な光が届くようになると、光球を消した。

 そして、階段をあと数段というところまで降りると、腰を下ろした。


 目の前には、森が広がっていた。第2層は、森林ステージのようだ。

 植物があるせいか、空気が少し美味しく感じる。それに、少し暖かい。

 私は、迷宮に入ったときに着たパーカーを脱ぐと、ときおり吹いてくる心地良い風を感じながら、ステータスをチェックした。



◆◇◇◇◇◇◆◇◇◇◇◇◆


トモリ・ユキハラ

【種族】人族

【性別】女性

【年齢】16

【職業】魔法使い(ウィザード)回復師ヒーラー


【レベル】9

【体力】508/508

【魔力】520/520

【筋力】44

【防御】18

【命中】49

【回避】37

【知力】191

【精神力】123

【速度】63

【運】46

【経験値】1039/1087


【魔法属性】無、水、火、風、光


【スキル】無限収納インベントリ


想像創造クリエイト・イマジネーション


〔コマンド〕

飛翔フライ探索サーチ時計クロック地図マップステータス隠蔽(ハイドステータス)隠形ハイドフォーム転移テレポーテーション


清潔クリーン



水球ウォーターボール水刃ウォーターカッター水槍ウォーターランス水嵐ウォーターストーム


氷槍アイスランス



火球ファイアーボール火槍ファイアーランス火嵐ファイアーストーム



風嵐ウィンドストーム風刃ウィンドカッター


雷槍サンダーランス



光球ライトボール




※【異能】と【称号】は、変更なしのため省略します。


◆◇◇◇◆◇◇◇◆◇◇◇◆



 スライムを大量に討伐したのに、レベルが上がっていなかった。スライムのレベルが低いせいで、経験値が少なかったのだろう。あんなに討伐したのに、残念だ。

 でも、あと48でレベルアップだし、もう少し頑張ろう!

 それから、ふと思いついて、職業欄をタップした。



◆◇◇◇◇◇◆◇◇◇◇◇◆


魔法使い(ウィザード)


【職業ランク】初級

【転職可能職業】魔術師ソーサラー召喚師サモナー調教師テイマー占い師(フォーチュンテラー)


【転職条件】

〔必要レベル〕9/10 


〔必要素材・共通〕

ゴブリンの魔石 各10

コボルトの魔石 各10

ウルフの魔石 各10

ウルフの毛皮(1㎡) 各1

ゴーレムの核(破損率50%未満) 各10

サハギンの鱗 各50

オーク肉 各1㎏

オーガの角 各2

オーガの牙 各2


〔必要素材・魔術師ソーサラー〕 ゴーレムの核(破損率50%未満) 各20

〔必要素材・召喚師サモナー〕 オーガの角 各3、オーガの牙 各3

〔必要素材・調教師テイマー〕 オーガの角 各3、オーガの牙 各3

〔必要素材・占い師(フォーチュンテラー)〕ウルフの魔石 各10



〔必要討伐数〕

スライム 各100

・ウォータースライム(102/100 達成)


ゴブリン 各100


コボルト 各100


ウルフ 各100

・アースウルフ(37/100)


ゴーレム 各100


スケルトン 各100


グール 各100


サハギン 各100


オーク 各100


オーガ 各10


◆◇◇◇◆◇◇◇◆◇◇◇◆



 よく見ると、必要討伐数の魔物の表示が変わっている。前は、全て各○○だったのに、今は、スライムとウルフだけだけど、ウォータースライム、アースウルフという表示がある。

 表示されている数を見るに、ABCの区別はしないようだ。

 でも、これで一つわかったことがある。

 それは、いろんな種類の魔物をたくさん討伐しないと転職できないということだ。

 今はまだ、遭遇したことのある魔物の名前しか表示されていないけど、それぞれの魔物の迷宮があるくらいだし、それなりに種類はいるんだろう。

 それを、各100匹ずつ……考えるだけで気が遠くなりそうだった。


 まさか、こんなにハードモードだったなんて思わなかった。

 これ、全部ひとりで達成できるかな……。



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