遺跡の魔物①
あまりの事に、僕は呆然としていた……
なんというか、その姿があまりに綺麗だったから。
サラサラと風になびく黄金色の髪、
透き通るような白く美しい肌、
薄い紅色がその魅力を際立たせてい小さな唇
そして何より、圧倒的な存在感を放つ、
黄金色の光を宿した瞳。
なんというか、
美しさをこえて、神々しさすら感じていた。
「カナタさん、本当に強かったんですね……」
「ほへっ?」
リコに見とれていたカナタは、思わず間抜けな
返事をしてしまう。
「くすくす。どうしたんですか?変な声を出して」
子供の様に笑ったリコ。
ふたたび目を奪われてしまうカナタはそどろもどろに
「いや、あの、リコさん気づいていないの??」
「ああ、なんだか先程から、ステータスが見えるんですよ……」
「いやいやいや、えっ? それは凄い……
じゃなくて!」
「あのね、リコさん、今、金色の瞳をしているよ?」
「??! 金色の瞳……そうですか」
ステータスが見える。
戦いにおいて、こんなに有利なことは無い。
もちろん、絶望的な実力差を覆す事は難しい。
が、お互いの能力が分かるということは、
戦いの一歩先を読む事において非常に大きな意味を持つ。
特に戦力が拮抗している時はもちろんだが、
ある程度劣っていてもそれを覆す事が出来る。
リコは、目の前に映るステータスを
どんな風に感じていたのだろうか。
「ブラックサーベルタイガー」
HP120000HIT150
MP500AVO300
ATK950MGF100
DEF300SPS100
「カナタ」
HP990HIT730
MP160AVO700
ATK700MGF60
DEF570SPS210
「リコ」
HP590HIT650
MP1060AVO170
ATK260MGF960
DEF400SPS1150
「カナタさん、作戦をお伝えしますね。」
そうカナタに告げて作戦を淡々と伝えるリコ
カナタも何も言わずに頷く。
「分かった、リコさん、じゃあ、いこうか。」
「はいっ、カナタさん」
後の世に語り継がれる、伝説の序幕
二人の戦いが、いま、はじまる。