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部屋までの道のり

「先輩、そろそろ立ってください。」

と植田は言う。

俺はゆっくりと立ち上がる。そして改めて二人の顔を見た。

「そんなにいやなんですか?」

「逆に聞こう、お前らは嫌じゃないのか?」

「別にいいじゃないですか!それにバイト先の人が近くにいると便利じゃないですか。」

植田は見た目によらず楽観的な人間らしい

確かに、バイト先の先輩がすぐ近くにいるのは二人にとっては利点ではあるとは思うが‥‥

笑顔の植田に、無表情な伊藤

伊藤は見た目によらず、口数が少なくクールな感じがする。どちらかといえば植田のほうが見た目クールに見えるのだが

「まぁあれこれ言っても仕方がない。これが現実なんだからな」

「そーですよ!大学が近かったら住むところも近くなることはあり得る話なんですから」

「そーだな」

と会話を打ち切った。

「今日はもう戻ろうぜ。時間も時間だしさ」

「はーい」

といってエレベーターに乗り込んだ。


エレベーターに乗り込んでからは会話が起きなかった。

‥‥‥‥‥‥

7階まで上がるのってこんなにながかったけ?

(7階でございます)

その声だけがエレベーター内に響く

エレベーターから降りて歩き出す。会話はない。

俺の部屋は一番奥、二人はその右隣

会話のないまま二人の部屋の前についた。

カチッ

伊藤がカギを開けた。そして植田が開く

ここで植田が沈黙を破った。

「じゃあ先輩、お疲れさまでした。明日バイト入ってます?」

「あぁ、入ってる。大学終わってから夜に入っているよ。」

「私たちもその時間初出勤なのでよろしくです。失礼します。」

「失礼します。」

伊藤の声ひさ久々聞いたな

「おう、お休み」

ガチャン!カチッ

扉が閉まり再びカギが閉まる音がした。


「はー」

思わずため息が出た。


3歩歩いて、我が家到着

俺は部屋と部屋の間のコンクリートを見つめた。

これが俺とあいつらのプライベートを守る壁か‥‥‥薄い

事実は小説より奇なり

この言葉が不意に頭をよぎった。

そしてカギを取り出し、差し込み、回す

カチッ

いつもなら何気なくやっていることが、面倒くさく感じた。

扉を開け中に入る

キィーガチャン!カチッ


二人の扉はこんなにうるさく閉まらなかったな‥‥‥







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