未定
ー何もないくらい世界ー
ーそこに一人の男性があほ面で佇むー
「今回は馬車かぁ…」
あ、どうも。この話の主人公です…。
ついでに今死んだところです…。
「馬車って何回目だっけ?3…いや、4回目か…?」
あ、それと何回も死んで転生してるっす。
「にしても今回も酷かったなぁ…。色々引き継げるのに運だけはクソもよくなんねぇ…。」
ー世界が眩く輝き始めるー
「ありゃ、もう次の世界か」
ーそして新しい物語が始まるのであったー
???「…にしても…。…様は…かし…。」
ん、なんだよ…俺はまだ寝みぃから静かにしてくれ…。
???「…ても…ょく寝てる子ね…」
あー、やばい。目が覚めてきた…
やだな起きたくないなぁ…
???「あら、起きたみたいですね?」
こちらをのぞき込む女性が笑顔を向ける
「あー…あぅ?(腹減った…てか誰?)」
上手く言葉が発音出来ない…?てか、体もうまく動かせねーし…。
???「あら、お腹が空かれたのかしら?今ミルクをお持ちしますねっ」
は…?ミルク…ま、まさか…っ!?
「あ゛ぁー!?あ゛ぅー!?!?(今回は赤ちゃんスタートかよ!?)」
えー、改めて自己紹介をさせていただきますね…。
今回の名前はエレスらしいですわ…。
俺のエンドレス転生ライフにぴったりくる気がしなくもない名前です。はぃ…。
どうやら運がいいことに今回は貴族スタートみたいでしてね…。いやさ、貴族は嬉しいのよ?でも何だろうねぇ…。もう少し成長した状態のさあ…。
まぁ転生しちまったもんは仕方ねーしこの話は置いときますわ。
えーと、どうやら俺はライハンスとか言う小貴族の次男坊として産まれたらしいです。
あとなんだっけかな?この世界は基本的に魔法やら精霊やらの世界らしく…まぁこの辺はいいか…んで、俺にその素質はあまり無いらしい訳でして…。
つまりですねぇ
ライハンス家の出来損無いって訳ですよっ!
そんな訳でなんか森の奥の小さな屋敷にメイド宛てがわれて放置されてる始末でして…。
ま、まぁ俺的にはいいんすよ?いや、ほんと最高じゃないすか?
そんな感じで5年も経ちましたわけでして…
エレス「えーと…魔法は主に六属性…精霊の加護により…。大体3回目、7回目の世界観と変わらんなぁ…」
コンコン
「失礼します。あら、お勉強中でしたか?」
部屋に見慣れたメイド服の女性が入ってくる
エレス(猫被り)「あ、レイア!もっと魔法をうまく使えるようになりたいから勉強してるんだ!」
彼女はレイア フォートレス。
ライハンス家に仕えるメイドである。
この家ではレイアとエレスの二人で暮らしている。
竜人族の22歳(自称)
少し幼目な顔つきで長い金髪を後ろにまとめている 身長は165~170程だろう
ちなみに胸は無い
レイア「エレス様には魔法の才能がありませんのに…努力家ですね♪」
可愛い顔して辛辣である…。
エレス「あ、あはは…レイアは酷いなぁ…(いつか犯してやるからなクソが…)」
レイア「エレス様はお若いのにお勉強ばかりして…。ずっとこのままダラダラと二人で過ごしていけばいいじゃありませんか…大体、エレス様には私がいるのですから…」ブツブツ
エレス(あ、いつもの変なスイッチ入った…)
そんなレイアをあしう日常が過ぎていく
昼過ぎ
エレス「風の精霊よ 我の契約に従い その名を持って敵を撃て ウィングウェーブ!」
エレスの放った魔法により風の衝撃波が数本の薪を倒す
レイア「…まぁまぁですね。(魔法の才能はほぼ無いと言われていてこの精度…)」
エレス「炎の精霊よ…詠唱めんどくさいなぁ…燃えろ!」
手に持った枝の先に炎を灯す
レイア「エレス様!?詠唱無視なんていつ覚えたのですか!?5歳で複数の属性魔法を使うだけでもおかしいのに…」
エレス「た、たまたま出来ちゃったんだ…あはは…」
嘘だろ?詠唱無視なんて前の世界なら普通だったのに… あまり魔法が進歩してない世界なのか?ずっとこの屋敷に缶詰だったからイマイチわからん…。
その後も水、土、光、闇の初期魔法を使ってみたがどれも驚かれる始末だ
一番驚かれたのは‘’無属性‘’魔法だった
身体強化、物質硬化等の基本となる魔法は余り使われていないようだった
レイア「この年で特異魔法まで使えるなんて…でも、魔法適性の診断ではどれも今一つだったはずなのに…。」
一人悩んでいるレイアを尻目にエレスは魔法の加減の練習を続ける
そう‘’加減‘’の練習を
年相応の力、この世界に見合った加減をレイアの反応を見て手探りに探っているのであった
そもそも加減が必要な程に魔法が使えるのは、幾度となく転生を繰り返すエレスは今までの能力や経験をざっくりと引き継ぐことが出来る からであった
そんな彼にも足りないものが一つある
それは運だ
何度転生を続けても、毎度運悪く死んでしまうことが多いのであった
…段差につまづき転倒 そこを通った馬車に衝突… 階段から転がり落ちたまたまあった崖から墜落… 冒険者の剣が間違って刺さる…食べ物が喉に詰まるetc…
とにかく不運なのである
転生してから5年 何事もなく生活できているのは奇跡としか思えない程だ
そんな毎日に彼は感動とともに恐怖していた