【一章】孤独にそこにただある樹のように02
ここからスイの無双が始まると思います。
まず先手を取ったのは、棒のおかげでリーチが長い痩せぎすだ
上から振り下ろすように棒でスイを狙う
「ふっ!」
スイはその振り下ろしを前進しながら避け、痩せぎすの懐に入り
そのまま勢いに乗る勢いに乗りながら拳を前に突き出す
痩せぎすの鳩尾辺りに拳は入るが
痩せぎすに効いた様子はない
「なんだこいつ!?」
痩せぎすは自分の懐にいるスイに膝蹴りを繰り出す
スイは避けようとするが避けきれない
「クソッ ぐぅっ!」
そのまま膝蹴りをくらい5mほど吹き飛ばされる
「っっ!受身は取れたが..鳩尾に入ってるのに何の反応のないのはおかしいだろっ!」
声を荒げながら体制を立て直す
「頭まで届かないし...どうするか..」
足を狙って機動力を奪うかそのあとに頭を狙ってみる
スイは痩せぎすの間合いにジリジリと近づく
スイが間合いに入った瞬間痩せぎすは棒を槍のように突き出す
「甘いっ」
スイは倒れこむように前傾姿勢になりながら足を動かし加速する
そのまま痩せぎすの足元に突貫し膝裏を掴みレスリングのタックルのように痩せぎすを倒し
痩せぎすが倒れる瞬間に手の位置を膝裏から、足首にずらし
全体重をかけた膝を痩せぎすの膝に合わせてそのまま痩せぎすが倒れると同時に痩せぎすの膝を逆に折る
そして痩せぎすが起き上がろうとしている間に離脱する
「お前痛覚ないだろ。痛みがないと、関節がどの程度まで曲がるかの限界が分からない
だから、御し易い。」
スイは聞こえるはずもないが、痩せぎすに声をかける
痩せぎすは、なぜ起き上がれないのかがわからないようでジタバタしている
スイはジタバタしている痩せぎすの近くに行き棒を奪い取る
「武器をくれてありがとう」
そのまま痩せぎすの頭を踏みつけ棒で叩く
ついに痩せぎすが動かなくなり、スイは息を吐く
「ふぅ〜...グッあいつの膝蹴り強すぎだろ...痣になってるし」
スイはYシャツをめくり自分の腹を見て青黒くなっているのを確認して
苦々しく呟く
「まぁ槍がわりも手に入ったし、いいか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ツリー」
とスイは唱えると目の前に半透明の板のようなものが現れる
六ツ木 水
樹輪10
枝 380↓10
幹 430↓10
実 550↓10
蜜 330↓10
根 5000
特殊技能
《意思へのパス》
技能
「槍術82」「軽業62」「徒手空拳25→27」「合気道17」「悪食1→2」
称号
「年上キラー」「年下キラー」「武芸において神に最も近づいた一人」
目標値
80/100000
「ヒトガタと戦う前だし10だけにしておこうかな」
六ツ木 水
樹輪10
枝 370
幹 420
実 540
蜜 320
根 5000
特殊技能
《意思へのパス》
技能
「槍術82」「軽業62」「徒手空拳27」「合気道17」「悪食2」
称号
「年上キラー」「年下キラー」「武芸において神に最も近づいた一人」
目標値
120/100000
「やっとヒトガタを殺せるな」
「予想だけど、ヒトガタを殺せば外に出れるはず...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
二時間ほどヒトガタを探し
ヒトガタを見つける
ズル...
ズル...
「やっと見つけた...」
まずは初撃で怯めばいいけど
とりあえずやってみないとわかんないよね...
「外に出ないといけないし、ここが踏ん張りどころだ...」
スイは岩陰からヒトガタめがけて飛び出し
ヒトガタに叩き付けるように棒を振り下ろす
「ふっ!」
ヒトガタはスイの振り下ろした棒を避けれず
そのまま喰らう
「おぉ...]
「は?」
スイはヒトガタが言葉を喋ったということに一瞬思考が止まる
スイの思考が止まっている間ヒトガタの背中が割れ始める
ミチィ...
ぐちょ ぺりぺり
「やばっっ」
その光景を見てスイはすぐに止まっていた思考を高速で働かせる
そうしている間にもうヒトガタの背中を破り黒い靄のようなもので出来た鎌が4本生えてきている
かまが一斉にスイに切りかかってくる
「くそっ!」
スイは棒を槍のように見立てて応戦するが4本もある鎌の手数に少しずつ押され始める
スイが鎌を躱し、受け流し、叩き落としている間にヒトガタは独り言のようにぶつぶつと話を始める
「ぁあぁさいぁく...さぃややくが...は...じm るあわ...fuhtたしは、..?・・・えぃ..・ゆ u??」
なんだ?さいあく?さいやくがはじまる...?
「クソッ!意味がわかんねーよっ!!」
スイが鎌の猛攻に手数が足りなくなり、少しずつ傷を負い始める
ヒトガタは壊れたテレビのようにノイズを混ぜながら繰り返す
「え。。。ぃ....yゆ・・?は、、てき・・ころ・/?す・・?」
「テキ。てき。てきてき・てき?テキてきテキテキテ・キテキ
殺す?」
急に攻撃の勢いが強くなり始める
キンッ!
カァン!
コッ!カッ
キキンッッ!
「あぁっ!めんどくさいッ!」
スイは多数の細かい傷を負いながら声を張り上げる
なんなんだよ、あいつは意味がわからないこと繰り返しブツブツ言ってるし、鎌はしつこいし
ああもうイラつく..
「クソがァ!ふっ!!」
スイは今までの憂さを晴らすかのように鎌を撃ち落としていく
少しずつスイの苛立ちが積もるとともに棒を繰り出すまでの間がなくなっていく
クソ!もっともっともっと鎌全部さばいてあのヒトガタぶち殺してやるッ!
まだ遅い!繰り出すまでを早く!速く、速く、疾く!!
少しずつスイの棒を繰り出す速さが上がるにつれ、棒の間合いの中に領域のようなものができ始め、その領域の中ならば棒を繰り出してから次の攻撃までの間がなくなっていく
スイの棒の速度が上がり
一挙動の隙がなくなり始め
洗練されていく様子は一種の舞のように
ただ敵を殺すための舞はもはや
空気も切り裂き始め
極地の一端に足を踏み入れ始める
あぁ..次の一撃で殺せそうだ...
ヒュン...
棒を横に薙ぎ鎌を全て叩き落とす
そのまま次の攻撃に移る瞬間には
ヒュッ パン!
敵を貫き終わっている
無間
立っているのはただ独り
スイだけだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スイは今ヒトガタを倒したらいきなり目の前に出てきた扉を開けた先の小部屋で休んでいる
その小部屋の奥には大樹があり、樹の虚の中に螺旋階段があり外に出られることがわかる
「ふうぅ〜疲れた〜」
なんか槍の極地の入り口に立った気がするが気のせいだろう
「とりあえず「ツリー」っと」
六ツ木 水
樹輪18
枝 610
幹 660
実 780
蜜 400
根 5000
到達点
〔無間ノ陣〕
特殊技能
《意思へのパス》
技能
「槍術82→101」「軽業62→71」「徒手空拳27」「合気道17」「悪食2」
称号
「年上キラー」「年下キラー」「武芸において神に最も近づいた一人」
目標値
120/100000
「うわぁ...なんか槍術がすごくなってるし...無間ノ陣はヒトガタ殺した時の技かな?あとは外に出た時に数値が減ってて死んだとかは嫌だから今回は送らないでいいか...」
「あとは傷が癒えるまでこの小部屋にいようか...」
「はぁ..茜さんと早く会いたい...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒトガタを倒してから一週間ほど経って
スイは自分の身体にある無数の傷を確認していた
「やっと完治したよ...
階段を登ろう...」
スイは階段を登り始める
「そろそろ外か...」
ついにスイは外に出る
およそ三週間ぶりの外のため眩しくて目を瞑る
そして
目を開けたのなら目の前に広がる景色は
「森...か」
スイは未だ孤独に囚われている
孤独にそこにただある樹のように 了
次の話は多分物語の時間が一気に進みます。




