【序章】消失
人の名前を考えるのって大変なんですね
:2プロローグ
学校の生徒やサラリーマン、OLの比率が少し大きいが人がまばらにいる学校への通学路を歩いている水だが、主に女性からの視線がスイに集まっているが、スイは心底わからないと言うように「なんでいつも見られるんですかね、、、」と呟く、そもそもスイは自覚こそないが、かなり整った顔立ちをしているのだ。顔の線が細く、濡羽色の色気のようなものさえ出ているのではないかと錯覚させられる黒髪は肩にかかる程度に長く少し切れ長の目に鼻筋の通った鼻、バランスのよく艶やかな唇はぱっと見クールな女性のように見える。スイの身長が178㎝あるためかろうじて男性に見えるのは幸いだが、鍛えているのになぜかあまり普通の男性より少し細く見えるのだ脱いだ場合体は引き締まりすぎていて中学の時の水泳で少し引かれたのはいい思い出なのだが
そんなスイが通学の時に注目されないわけがないのだが、本人は自分の容姿は普通だと思っているのだ普通ならスイの姿を1日のエネルギーにするOLなどいない。視線を感じつつ歩いていく、学校のすぐそばに行くと校門では、生徒会役員達が挨拶をしている。「「「おはようございまーす!」」」それにつられスイも挨拶を返す「おはようございます、新学期ですね」とスイが少し微笑みながら返すと、主に周りの女子生徒たちが胸を抑えるが一学期からこの様子なので、気にせず通り過ぎる。
女子side
「なにあれ天使?天使なの?」
「あれは天使じゃなくて、大天使六ツ木くんだよ」
「知ってた」
「そもそも女の子より可愛くてかっこいいってなんなの!?」
「六ツ木くんだよもう性別とか関係なしに六ツ木くん」
「「「なるほど」」」
そんな会話が繰り広げられているとはつゆ知らず、スイは自分の教室の前で一人つぶやいていた。
「新学期ですし、少し真面目に挨拶した方が良さそうですね」
考えがまとまり次第すぐに行動するのは、茜さんに教え込まれたことだ。
ガララッ
みんなの視線が教室のドアの前にいるスイに集まる
「おはようございます。新学期ですが皆さんはどうお過ごしでしたか?僕はイベントのようなものがなかったのでなんとも言えませんが、皆さんが過ごした夏休みを少しでもいいので僕にも教えてください」
「「「真面目か(ですか)!」」」
少し笑いが起こっているがそんな中水に話かけてくる人たちが多いのは人徳ゆえか。
「よう!六ツ木相変わらず真面目だなぁ、ちなみに俺はサッカー部のみんなで海に行ってきた!」
今僕に話しかけてきているのは一 信二サッカー部のエースで顔が整っていてとても人懐っこい性格のため、女子に人気でファンクラブまであるらしい。
僕も一君の人懐っこく付き合いやすいところは尊敬している
「サッカー部のみなさんで海ですか、とても面白そうですね」
僕は本心からの言葉を一君にかける
「おう!面白かったぞ」
「次は私の番ー!」
この元気に声をかけてくれる女の子は咲本 瑠璃さんだとても明るくクラスのムードメーカーだ、人の顔の美醜に疎い僕でもわかるほど可愛いいわゆる美少女というやつだ。暗めの茶髪にパッチリとした目に綺麗な桜色の唇少し背の低いところが彼女は気に入らないらしいがその背が彼女の持つ子犬らしい雰囲気にあっていて、僕はとても可愛らしいと思っている。
「私はねー千弦ちゃんとお買い物に行ったんだー」
「そうですね、とても楽しかったですよ瑠璃」
今話に出てきたのは今も瑠璃さんの隣で、瑠璃さんと話している斎賀 千弦さんだ少し茜さんに似ている顔立ちをしているが聞いた話によると親戚らしい。大和撫子と言う感じでやはりとても綺麗だ、美少女というよりは、美人の方が合っていると僕は思う。お家が弓の道場らしく弓道をしていて、とても強いらしい
二人の仲の良さを見ると心が暖かくなる
「お二人はとても仲がいいですよね」
「そうだよ!私たちは大親友なんだから!」
「まぁそうね瑠璃といると心が安らぐから」
「「あぁ確かに、、」」
瑠璃さんに癒されているのは、千弦さんだけではないようだ
ガララッ
「おい、早く席につけ〜」
教室に入ってきたのは僕たちの担任の先生である茅ヶ崎 晶茅ヶ崎先生はめんどくさがり屋の27歳独身らしい去年のクラスでの自己紹介の時に
「茅ヶ崎晶27歳独身お前らが卒業してからなら結婚してもいいぞ養ってくれるなら、だからいつでも告白しに来ていいぞ」
と衝撃的な自己紹介でクラスののみんなの時間が止まったくらいだちゃんとすれば美人なのにと女子たちがいつも言っている。僕も茅ヶ崎先生はいつもボサボサの髪にジャージなのでそれは少しどうなのだろうと思っている。
「ホームルーム始めるぞー挨拶」
茅ヶ崎先生の号令がかかっているが、僕は何か嫌な予感がして動けない、すると日直が挨拶をしようとした瞬間
ピシッッ!!
と大きな音が鳴ると同時に窓の外が黒く染まり始める。何が起きているのかわからない僕たちは窓の外が黒く染まると同時にこの教室から、何の痕跡もなく消え失せたのだった




