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逆ババ抜き  作者: Lufer
1/2

ゲーム開始

……でさー 翔太(しょうた)、俺らさ…

っあ! (そら) またババひいただろ!

顔にですきなんだよ!」



隣で幼馴染の拓真(たくま) 翔太(しょうた)が騒いでいる。



「次ー 長谷川ー。 お前ら遅くなってきてるから早く帰れよー。」


「はぁーい。 じゃぁ俺進路面談してくるから拓真達先に帰ってて。」


「おぅ じゃーまた明日な。」



先生について教室をでる。

この時はまだこの後に起こる出来事に気がつかなかった。





俺の名前は、長谷川 空(ハセガワ ソラ)。

何の取り柄もない、至って普通の高校3年生だ。11月ということもあり早くも進学先が決まってる人もいる中、特にやりたいこともなく先生と進学面談を繰り返す日々。


あー寒い。

進路面談が終わりすっかり辺りもくらくなったころ学校を後にする。


耳に寒さが突き刺さり吐く息も白い。

無意識に首をすぼめる。




…………っつ!!!


全身に電気が流れるような衝撃が走り、気を失った。




……目が覚め辺りを見渡す。


何分…何時間たったのかわからない。

周りはホテルの一室のような感じだか壁紙もはがれ、窓は塞がれ、異様な空間だった。




[ピンポンパンポーン。

館内放送です。

館内放送です。

皆様、10分以内に至急一階ロビーにお集りください。なおエレベーターは故障中の為、非常用階段をご利用ください。

繰り返します。

皆様、10分以内に至急一階ロビーにお集りください。なおエレベーターは故障中の為、非常用階段をご利用ください。]



女の人の声で流れた館内放送も終わると、部屋に静寂が訪れる。

状況が飲み込めない。


ロビーって言ってたな…


サビの浮いてきている鉄製の扉を開け廊下にでる。

作りは完璧ホテルのようだが、くすんだ赤いカーペット、切れかかっている蛍光灯が恐怖心を煽る。


なんだ?ここ…



廊下の奥に目をやると非常用と書かれた扉。

開けると階段がある。


階段を下りロビーに近ずくにつれて話し声が聞こえた。


ロビーに入るが入り口であろう自動ドアは黒く塗りつぶされ外の状況がわからない。

カウンターや壁、天井も所々穴やシミがあり使われていない場所だと一目でわかる。




「どこだーここ?」

「なんかあったよなこういうシチュエーション!」

「あれだろ、映画の王様ゲームとか人狼ゲームとか!」

「そぅそう!!」

「お家帰りたいよー」

「ちょっと開かない。この自動ドア」

「携帯も圏外なんだけど!」



いろんな声が交差する。

男も女もいろんな人がいるがみんな同い年ぐらいか?



しばらく周りを見渡していると周りもみんな状況がわからないらしく知り合い同士もいないらしい。



非常用階段からも次々と人がきてロビーに溢れんばかりの人が集まるとまた館内放送が流れた。





[ピンポンパンポーン

館内放送です。

館内放送です。


皆様ロビーに集まりました。



それでは皆様、ババ抜きをご存知でしょうか。

ジョーカーをいれた53枚のトランプを人数分配布し、配布されたものの中から同じ数字をペアとして破棄、残りを手札として戦います。

ジャンケンをし勝者から時計周りで隣の人のカードを一枚とる。ペアになったら破棄。

その繰り返しをし最後ジョーカーを持っていた人が負けとなる。それがババ抜きのルールです。


たらい回しにされるジョーカーはさぞ浮かばないことでしょう。



そこで今回皆様にやっていただくゲームは、逆ババ抜きとなります。



まず皆様の人数は53名となります。

皆様1人1人にカードが配布されています。

各自ポケットの中に入っています。

他人に見せることなくご確認ください。


それでは一度だけルールの説明をいたします。静かにお聞きください。


皆様1人1人に♣︎ ♠︎ ❤︎ ♦︎の1〜13までの数字とジョーカーのどれか1枚を配布しています。


今回、ペアとなるものを赤いマーク ❤︎ ♦︎

黒いマーク ♣︎ ♠︎の同じ数字同士とさせていただきます。


❤︎の1と♦︎の1はペアですが

❤︎の1と♣︎の1はペアとはなりません。


ちなみに、ペアの方が亡くなると自分も破棄=死にますので注意してください。



ジョーカーの方は毎日必ず1人だけを殺害してください。

殺害する人、殺害方法、殺害場所、殺害時間に関しての制限はありません。

殺害が24時間以内に確認できなかった場合はジョーカー本人とランダムなプレイヤー1人が死亡します。

その際のジョーカーは死亡したプレイヤーとペアだった方に自動でうつります。




その他のプレイヤーは、毎日必ず1人ジョーカーだと思う人を殺害してください。

殺害する人、殺害方法、殺害場所にこちらも制限はありません。

殺害時間のみ午前6時から午後10時までの16時間とさせていただきます。


ジョーカーを所持していた人が死亡するとジョーカーを殺害した人にジョーカーのカードはうつり

その人が持っていたカードは亡くなったジョーカーだった人が所有していたことになります。

そのためペアだった人も死亡します。



死亡したペアのカードは翌日の午前6時に皆様に公表されます。




残りの3人になった段階でジョーカーが1人を殺害=1ペアの死となるので、ジョーカーの勝利。

逆にジョーカーが殺害されると1ペア=2人の勝利。


残ったジョーカー(1人)もしくは1ペア(2人)が勝者となります。





ここで厳正な進行の為に皆様に守っていただく注意点になります。



守らなかった場合、その瞬間に該当者ペアの死を意味しますので注意してください。

なお該当者の死 ペアになるプレイヤーの死は皆様のカードに埋め込まれている特殊なチップより電気が流れます。痛みはなく一瞬なので安心ください。



1.他人に自分のマーク、数字を教えるのはいけません。

2.夜10時〜朝6時までジョーカー以外のプレイヤーは自分の部屋から出てはいけません。

3.ここは山奥の廃ホテルです。

敷地から出ることはなりません。

4.カードは肌身離さずお持ちください。

カードの破棄、置き忘れを感知した瞬間に電気がながれます。



殺害補助として各自部屋にはひとつ武器を用意しております。お役立てください。


それでは本日朝6時をスタートとします。


なお、この放送は録音によるものです。

皆様53名以外は誰1人いませんので安心してください。


それでは頑張ってください。]




カチ…カチ…


ロビーに飾ってある時計の秒針の音だけが聞こえる





「…6時って今からじゃねーか!」



どこからともなく聞こえた声に便乗してみんなが騒ぎ出す。


こうして逆ババ抜きなるゲームが開始された。


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