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アル中の歌  作者: 岩本翔
99/260

アルコール依存症99

「それじゃ、俺達も婆さんもその実験材料にされて、最後には人食い動物の餌か?」と行雄は歎いた。

看守が立ち去った後、おもむろに悪友が行雄に向かって言った。





「どうやら俺達は人体実験としての人食い鹿の餌のようだな」





行雄が怪訝な顔付きをして尋ねる。





「何だ、人体実験としての餌というのは?」




悪友がベッドに腰掛け難しそうに腕を組み答える。





「だからそのままさ。この水中都市では、あらゆるジャンルの科学実験が行われていて、それを基に最先端技術が生み出されているのだろうな」




嘆息してから行雄が言った。





「待ってくれ。それじゃ、この水中都市では本当に疫病や精神病、犯罪などが最先端科学で鋭意生み出されているというのか?」





悪友が恭しく頷き答える。





「そうだ。様々な人間が妄想幻覚装置で狂わされ、或は病気になり、或は犯罪を犯してこの水中都市に誘われ、実験材料になっているのだろうな、きっと」




行雄が涙ぐみ歎く。





「それじゃ、俺達も婆さんもその実験材料にされて、最後には人食い動物の餌か?」





悪友が息をつき答える。





「婆さんはどうか分からないが、少なくとも俺達はそうだろうな」

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