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アル中の歌  作者: 岩本翔
97/260

アルコール依存症97

「それじゃ尋ねるが、俺の愛しの婆さんが一体何をしたと言うのだ。答えろ!」と行雄は怒鳴った。

悪友の制止を振りほどき行雄が喧嘩腰で言った。





「あんたが言っているのは老人連合以外の部外者の事だろう。同じ老人連合の者を何故傍若無人に罰するのだ、答えろ、くそじじい!」




看守が涼しげな表情のままに答える。





「外部も内部も無い。傍若無人なる行いには傍若無人をだ」




行雄が怒鳴る。





「それじゃ尋ねるが、俺の愛しの婆さんが一体何をしたと言うのだ。答えろ!」





看守が臆する事なく行雄をじっと見詰めながら答える。





「そんなのは知らない。その婆さんの名前すら、貴様らは知らないのだろう。ならばわしが知る由が無いではないか」





再度行雄を制して悪友が尋ねる。





「老人連合は何故このメガロポリスとも言える水中都市を建造したのですか?」





看守が答える。





「我々のノスタルジックな桃源郷ユートピアよ」

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