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アル中の歌  作者: 岩本翔
92/260

アルコール依存症92

「ここは水中都市だ」と悪友は言った。

薄暗い伽藍の中、悪友は眼を覚まし、上体を起こして、隣で気絶している行雄を揺り起こした。





行雄が瞼を開き、首を振って、寝ぼけるような口調で言った。





「俺達は酔っ払って、あの世に来たのか?」




悪友が周囲を確かめるように見回し言った。




「ここはどうやら牢屋のようだ…」





行雄が眼を覚まし、悪友と同じように上体を起こして喚いた。





「牢屋、俺達は湖に入水して溺れ、蘇生されて投獄されたのか?!」




悪友が立ち上がり、鉄格子にがんじがらめにされている小窓から外を窺い、眼を見張った。





外に展開しているのはまるで瀟洒な水族館のような水中都市であり、天空が象られている筈の空間には水の圧力をもろともしない厚い強化硝子がドーム型に覆いかぶさり、その下をメガロポリスとも言える大都市が張り巡らされ、地上の都市さながらに機能していた。




行雄が尋ねる。





「おい、何が見えるのだ?」





悪友が深呼吸してからが答える。





「ここは水中都市だ」

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