表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アル中の歌  作者: 岩本翔
85/260

アルコール依存症85

「究極のマゾにだって友を助ける権利はあるだろう、違うのか?」と悪友は言った。

悪友が自嘲ぎみに一笑してから言った。





「この濃霧は酒で出来た幻覚剤なのか。幻覚剤自体が酩酊して幻覚剤になり、酒の湖を見せ、水の金属音を醸し出して、俺に脱力感を与えているから、俺の力は弱まっているのか?」




行雄が悪友の手を振りほどき、湖に逃げ込もうとするのを悪友が手を引き捕らえ、行雄がそれを歎く。





「全て究極のドラッグたる酒の申し子、俺自身の心が酒の中で行っている自殺実験なのだから、お前には一切関係なく、早く帰れと俺は言っているわけだ」




悪友が渾身の力で行雄を引っ張り言った。





「お前のモノローグが濃霧の幻覚剤で水の金属音を出す酒の湖の金属音的蟻地獄ならば、俺自身がそこに嵌まる喜びを表現して何処が悪いのだ?」




行雄が手を振りほどき泣き笑いの表情を浮かべ言った。





「お前は究極のマゾか?」





悪友が再度行雄の手を引っ張り、山林の奥深く誘い、答える。





「究極のマゾにだって友を助ける権利はあるだろう、違うのか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ