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アルコール依存症80
「酒に殺されるならば本望よ」と行雄が言った。
行雄が薄ら笑いを浮かべ言った。
「しかし婆さんの呼び声は何と濃霧の金属音の色が聞こえる歌なんだ。これは正にアル中の歌ならば、これ本望だと思わないか?」
悪友が湖畔を離れるべく歩きながら、大声で行雄を諭す。
「しっかりとしろ!」
行雄がせせら笑い言った。
「おい、又水の金属音が囁いてきたぞ。だからお前そんな事言うな」
「しっかりとしろ、その声に食われたら一巻の終わりなんだ!」
行雄が鼻でせせら笑い言った、
「うるさい。この声を聞いていると、俺はアルコールを飲んでいる気分になるんだ。それの何処が悪い!」
悪友が怒鳴る。
「死んでもいいのか!」
行雄がいみじくも言った。
「酒に殺されるならば俺は本望よ」




