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アルコール依存症78
「それじゃ、俺達もこの湖に食われる運命なのか?!」と行雄は喚いた。
行雄が恐怖に顔を引き攣らせ喚いた。
「おい、又横切ったぞ。や、奴らは本当に幽霊なのか?!」
悪友が冷静さを取り戻し言った。
「いや、人間だ。この人間達はこの湖に食われているのだ」
行雄が驚き震えたままに尋ねた。
「湖が人を食っているのか。自殺しているのではないのか?」
落ち着いた口調で悪友が答える。
「自殺なんかじゃない。この湖は人食い湖で、人が食われると、水の金属音を出すのだ」
「それじゃ、俺達もこの湖に食われる運命なのか?!」
悪友が物静かに答える。
「多分な。俺達は食われる為に呼ばれたのだ」




