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アル中の歌  作者: 岩本翔
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アルコール依存症77

「あれ、ゆ、幽霊か?」と行雄が叫んだ。

一瞬、濃霧の形が人間を象るのを見て取り、行雄が悪友を大声で促した。




「おい、今の見たか?!」




悪友が首を左右に振り答える。





「いや、俺は何も見ていないぞ」




行雄が湖の方を指差し言った。





「今、人影が湖に入って行ったのを見たのだ。あれ、俺の妄想幻覚の類いなのか?」




悪友が頷き言った。





「そうだな。不安が見せた妄想幻覚だろう、きっと」





行雄が恐怖に唇を震わせながら言った。





「あれ、ゆ、幽霊か?」





悪友が一笑してから答える。





「馬鹿な。濃霧を幽霊か人間に見間違えただけだろう」





その直後、悪友の目の前を人が横切り、一瞬だけ水の金属音が聞こえた後、音もなく湖の方に移動して行き、消え失せて行った。





悪友が足を止めてから言った。





「今、俺にも見えたぞ。あれは水の濃霧が作り出す幽霊なのか?」




行雄が小刻みに震えながら答える。





「分からない」

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