アルコール依存症74
)時間が機械として凍結し、俺達は死ぬか生きるかの局面を迎えるならば、濃霧の水の金属音が俺達の脳を破壊し、生死を創造しているのだから俺にはどちらなのか判別出来ないわけだ」と悪友は言った。
行雄が立ち止まり、狂ったかのように笑い言った。
「俺達の中にある時間が、この水の金属音によって壊れ、俺達の中の時間がばらばらになって俺達は死ぬのか。さもなければ生きるのか。どちらなのだ?」
悪友が濃霧に狂わされるのを愉悦するように呼応し微笑み言った。
「水で出来た金属音は言わば機械で出来た水の聞こえるようで聞こえない、もどかしい時間の金属音的機械ならば、朽ち果て死に至るのが自然の摂理であり、時間が機械として凍結し、俺達は死ぬか生きるかの局面を迎えるならば、濃霧の水の金属音が俺達の脳を破壊し、生死を創造しているのだから俺にはどちらなのか判別出来ないわけだ」
行雄が渋面を作り言った。
「いずれにしろ機械の水に辿り着かないと俺達は駄目なのか?」
悪友が濃霧の金属音を代弁するように狂い答える。
「そうだ。機械で出来た水の時間にばらばらにされないように水を機械から解放する為に急ごう」




