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アル中の歌  作者: 岩本翔
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アルコール依存症6

「何をやっても上手く行かないし、自分の思い通りにならなければ、アルコールに溺れるのも、これやむを得ないと俺は思うがどうだ?」と行雄は言った。

悪友が畳み掛ける。





「第一人生には喜怒哀楽が有って、哀しみだけが抜きん出ていて、そのバランスが崩れている音楽は、けして前向きなものとは言えまい?」





行雄が反論する。





「しかし世の中なんて哀しみしか無いじゃないか。何をやっても上手く行かないし、自分の思い通りにならなければ、アルコールに溺れるのも、これやむを得ないと俺は思うがどうだ?」




悪友が反論を重ねる。




「そんなのも単なる弁解に過ぎないと俺は思う。アルコール依存症を治して、恋愛でもして一度は結婚し子孫を残してみるというのが、前向きな人生の在り方じゃないか。違うか?」




行雄がやけくそ気味に酎ハイを煽り言った。




「負け惜しみでも何でもいい。俺の心は既に哀しみで一杯なのだ。その哀しみを慰めてくれるのが酒なんだから仕方ないじゃないか」





「お前は好きで酒を飲んでいるようには見えないわけだ。やむを得ない、仕方ないで飲んでいる酒なんか美酒とは言えまい」




行雄が頑なに言い切る。





「それでも酒は俺の最良の友なんだ。文句を言うな!」

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