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アル中の歌  作者: 岩本翔
59/260

アルコール依存症59

「マザコンでも何でもいいんだ。婆さんは俺にとって最愛の人なんだ。それを助けて何処が悪いんだ?」と行雄はしみじみと言った。

悪友が尋ねる。





「何故お前はそれ程までにその婆さんにこだわるのだ?」





行雄が答える。





「俺は何をやっても駄目なアル中人間で、劣等感の塊だし、辛気臭いし、取り柄が何もない、そんな俺の心をあの婆さんは心底理解してくれて、優しくしてくれたんだ。まるで母親のようにな」




悪友が一声唸り言った。





「しかし、それは男女間の恋愛ではなく、母親に対する恋慕、マザコンの類いなのではないのか?」





行雄が再度傷口を押さえる動作をしてから言った。





「マザコンでも何でもいいんだ。婆さんは俺にとって最愛の人なんだ。それを助けて何処が悪いんだ?」





「いや、俺は悪いとは言ってはいないぞ」





行雄が悪友を睨みつけ言った。





「ならば能書き言わずに俺に付き合ってくれればいいじゃないか?」




悪友が痛みに渋面を作り苦笑いしてから答える。





「分かった」

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