アルコール依存症54
「俺は婆さんのメールを愛と信じ、猪突猛進とにかくやり抜くしかないと思っているんだ。しのごの言わずにやるっきゃないじゃないか。そうだろう!?」と行雄が息巻いた。
悪友が再度先行きを心配し言った。
「しかし山にわざわざ俺達を誘うというのは、婆さんがお前に好意を抱いている証にはならないだろう。俺達の行動パターンを読めば俺達が鹿を殺し食うというのは自明の理、分かり切った事だし、それは婆さんと爺さんが結託して、俺達に宣戦布告した意味合いだと俺は思うのだがな…」
行雄が反論する。
「違うケースだって当然考えられるし、老人連合の思惑なんか俺にしてみたらどうだっていいんだ。婆さんに愛を告白する、その為だったら、俺は老人連合を叩き潰したっていいと思っているし。とにかく俺が生きる希望を持てたのだから、それが一番肝心だろう。違うのか?」
悪友が唸り憂い顔をして答える。
「しかし多勢に無勢、老人連合が組織立っているならば勝てないだらう。違うのか?」
行雄が気迫を込めて答える。
「俺は婆さんのメールを愛と信じ、猪突猛進とにかくやり抜くしかないと思っているんだ。しのごの言わずにやるっきゃないじゃないか。そうだろう!?」
悪友がしきりに頷き答える。
「分かった。お前がそこまで言うのならば、地獄の底まで付き合ってやるわ」




