アルコール依存症47
「ジジイはともかく、お前の話を聞く限りは少なくともその婆さんはお前に悪意を抱いてはいないのではないか?」と悪友は言った。
悪友が行雄に向かって言った。
「そんな外科医は見当たらなかったぞ。と言うか、その外科医がお前の担当医を唆して、薬を調合し、お前の病気を悪化させているというのは可能性としては極めて低いと思うんだ。まあ老人連合の連中が病院にいる事は否めないがな」
行雄が唸り声を上げ、嘆息交じりに言った。
「それじゃ奴らは一体どのように俺達を殺すつもりなんだ?」
悪友が答える。
「それは分からない。だが奴らが病院にいるという事は、お前が退院して改めて酒を飲むリスクが減ったという事じゃないか。そんな一面もあるよな?」
行雄が答える。
「おい、待てよ。俺が酒を飲むのを阻止する為に老人連合の婆さんや、あのジジイはこの病院に紛れ込んでいるというのか?」
悪友が腕を組み間を置いてから答える。
「ジジイはともかく、お前の話を聞く限りは少なくともその婆さんはお前に悪意を抱いてはいないのではないのか?」
行雄が否定する。
「そんな馬鹿な。あのジジイは俺達を殺すとはっきり行っていたじゃないか」
悪意が答える。
「これはあくまでも俺の憶測の域を出ない話ではあるがな…」




