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アルコール依存症46
その人間を特定しなければ駄目だと考えつつも、その手段方法が分からないので、悪友は深くため息をついた。
自分が見た鹿爺さんは確かにいたという思い込みの素に悪友は白衣を着た外科医の顔を順次見て回った。
だがそれらしき人物は何処にも見当たらない。
併せて行雄の愛しい婆さんに会う事は到底叶わない道理なので、悪友は途方に暮れた。
飼い鹿を殺したからお前らを殺すという鹿爺さんの言葉が悪友の脳裏に甦る。
だが病院全体が老人連合の組織であるとはどうあっても考えられない。
その事実があるとしても、病院内の一部だろうと悪友は考えた。
老人連合の一部の人間が行雄や自分を殺そうとしているのならば、それはどうあっても阻止しなければならない。
その人間を特定しなければ駄目だと考えつつも、その手段方法が分からないので、悪友は深くため息をついた。




