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アルコール依存症34
悪友との賭けに応じたので、行雄は強い薬を処方してくれと医師に自ら依頼し医師はそれに応じた。
悪友との賭けに応じたので、行雄は強い薬を処方してくれと医師に自ら依頼し医師はそれに応じた。
強い薬なので胃薬と一緒に飲むのだが、薬の効き目は甚大なるものがあり、じっとしていて酒の事を思い浮かべるだけで、胸の動悸が高鳴り、吐き気を催す。
閉鎖病棟の中、行雄はそんな自分の姿が妙におかしくて、一人笑った。
酒の事を思い浮かべると吐き気と動悸が高鳴り、その吐き気と動悸が狂った喜悦感を生み、つい笑ってしまう。
それの繰り返しだ。
そして段々とその繰り返しにも疲れてしまい眠ってしまうのだが、夢にもその連鎖が悪夢として現れ、目覚めて、もう二度と酒の事など考えまいとするのだが、いつのまにか考えてしまう、そんな悪循環が続いている。




