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アルコール依存症32
「賭けというならば、その方法で、薬の副作用が抜けアル中が治り、俺が生きる気力を取り戻す方にお前は翔けるのか?」と行雄は悪友に尋ねた。
悪友が告げる。
「ならばここでアルコール依存症を治し、その上で現実に戻り、生きる気力を取り戻せばいいじゃないか?」
行雄が再度せせら笑い答える。
「気休めを言うな。俺が強い薬を飲んでアル中が治って現場復帰しても薬の副作用にやられて生きる気力なんか取り戻せないだろう。俺の生きる気力の原動力はまさにアルコールにあるのだから、この病院を出て前の俺に戻るにはアルコールが絶対必須条件なのだから」
悪友が話しを熟慮する間を置いて言った。
「しかし、お前が現場復帰して再度夢を追うには、その手しかないだろう。違うのか?」
行雄が苦笑いしてから答える。
「賭けというならば、その方法で、薬の副作用が抜けアル中が治り、俺が生きる気力を取り戻す方にお前は翔けるのか?」
悪友が固唾を飲み込んでから答える。
「俺はそれに賭ける…」




