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アル中の歌  作者: 岩本翔
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アルコール依存症31

「ここで飲む薬のせいで俺はそんな生きる気力も失せたわ。つまり人の命を生かす薬と言うのは、生きる気力を奪う副作用があり、それはそのまま生きる屍、植物人間にすると言う事じゃねえか。違うのか?」と行雄は言った。

悪友が反論する。





「おい、それも矛盾しているじゃないか。お前は生き抜き鹿を殺し店を繁盛させ、老人連合との戦いにも打ち勝ち、愛しい婆さんに会いたいと言っていたじゃないか。違うのか?」




行雄が鼻を鳴らしせせら笑い答える。





「ここで飲む薬のせいで俺はそんな生きる気力も失せたわ。つまり人の命を生かす薬と言うのは、生きる気力を奪う副作用があり、それはそのまま生きる屍、植物人間にすると言う事じゃねえか。違うのか?」





悪友が否定する。





「しかし酒を飲んで生きる気力が戻ったとてお前は死ぬのだぞ。その理屈は分かっているのか?」





行雄がわざとらしく咳ばらいをしてから言った。





「俺は生きる気力を奪われて、生きる屍のように生きる位ならば、酒を飲んで生きる気力を取り戻したままアルコール天国の中で犬死にした方が遥かに増しよ」

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