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アルコール依存症257
「貴方が私の道連れです」と巫女が言った。
二人の話しを聞いていた巫女が、まるで婆さんが唱える呪文をその鋭い聴覚で聞き付けたかのように眼を細め言った。
「決まりました」
悪友と死刑囚が緊迫した顔付きをして、巫女を見返し息を呑んだ。
そんな視線をまるで跳ね返すように巫女がおもむろに死刑囚を指差し告げる。
「貴方が私の道連れです」
死刑囚が恭しく頷き最敬礼してから言った。
「有り難うございます」
反射的に悪友が巫女に対して率直に尋ねた。
「俺は生き残って一体何をすれば良いのですか?」
巫女が即答する。
「もし、貴方の親友が甦らなかった場合、第二波の身代わりとなります」
悪友が自分を指差し尋ねる。
「俺一人でですか?」
巫女が答える。
「そうです。それで万全を期すのです」
悪友が固唾を飲み答える。
「分かりました」




