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アル中の歌  作者: 岩本翔
25/260

アルコール依存症25

「痒い、痒いぞ。全身が痒くて堪らないわ。おい、掻いてくれ。俺を掻いてくれ、頼む!」と行雄は絶叫を上げた。

行雄が絶叫を上げた。




「おい、虫が這っているぞ。全身ゲジゲジや百足が這っているぞ。数え切れない程の虫が俺を食おうとしているんだ。助けてくれ!」





悪友が叫ぶ。





「それはお前の禁断症状なんだ。幻覚なんだ。実際には虫なんか這ってはいない。落ち着くんだ!」





行雄が再度白目を剥き涎を垂らして叫んだ。




「こいつら俺に食われた鹿の仲間か。でも鹿に似た虫ならば、何故俺を食うのだ。俺なんか食っても老人連合にはなれないのに、何故食うのだ。助けてくれ、頼む!」





「落ち着け。落ち着くんだ。お前の身体には虫なんか這ってはいないんだ。落ち着け!」





行雄が再度絶叫を上げてから狂ったように笑い言った。





「痒い、痒いぞ。全身が痒くて堪らないわ。おい、掻いてくれ。俺を掻いてくれ、頼む!」





「落ち着け、落ち着くんだ!」





「痒い、痒い、痒い!」





そう叫んで行雄は渾身の力で自分の身体を掻きむしり始めた。

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