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アルコール依存症240
「未練の分量を計ると確かに俺はあんたには劣るが、しかし親友を思う気持ちは問題なくあんたを凌いでおり、その点から言っても俺が間違いなく身代わりになるに相応しいと思う」と悪友は言った。
悪友が言った。
「未練の分量を計ると確かに俺はあんたには劣るが、しかし親友を思う気持ちは問題なくあんたを凌いでおり、その点から言っても俺が間違いなく身代わりになるに相応しいと思う」
死刑囚が否定を重ねる。
「それはそうだが、あんたは生きて親友の面倒を見たいと言うのが最大の願いだろう?」
悪友がいなすように答える。
「それは親友の恋人たる先生に任せた事柄であり、今は俺が出来る事は身代わりしかないではないか」
死刑囚が反論する。
「気持ちの分量、未練の分量をトータルすれば身代わりは俺が絶対に相応しいと思う」
悪友が首を振り言った。
「いや、俺だ」
死刑囚が再度言い切る
「違う。俺こそが相応しい」




