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アルコール依存症227
「すいません、我々では力及ばず特定は出来ないのです。先生…」と看守長が婆さんに向かってうなだれつつ言った。
行雄の病状を気遣い、苛立つ婆さんに向かって看守長が再度言った。
「先生、再三言いますが、捜索隊は懸命に働いているのですが、姜として姿を現さない巫女を捕縛出来ないのです、先生…」
婆さんが眉をひそめ再度念を押す。
「巫女の配下が裏で手引きしているのは明白な事柄ではないか。捜索隊の中にも巫女のシンパは必ずいるぞ。そやつを特定するのじゃ」
看守長が頭を垂れ言った。
「大勢の巫女の結界も張られていてどうにも特定出来ないのです。それをかい潜る事は出来ないのでしょうか、先生?」
婆さんが無念そうに呟く。
「大勢の者が呪いを施しているので、結界は堅牢で固く突破出来ないのじゃ。何とか情報を手繰り寄せ特定出来ないのか?」
看守長がうなだれ告げる。
「すいません、我々では力及ばず特定は出来ないのです。先生…」




