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アルコール依存症223
「もう一人の巫女も姜として捕まらないし、このままではあんたの友達が事切れてしまうだけだ。そこでどうだろう、俺が巫女の身代わり役を買って出るというのは?」と死刑囚が悪友に向かって言った。
死刑囚が悪友に向かって言った。
「もう一人の巫女も姜として捕まらないし、このままではあんたの友達が事切れてしまうだけだ。そこでどうだろう、俺が巫女の身代わり役を買って出るというのは?」
悪友が驚愕の表情を作り言った。
「俺達は釈放になるのだぞ。それなのに何故わざわざ逃げた巫女の身代わりになるのだ?」
死刑囚がそぞろ涙ぐみ、深呼吸してから言った。
「俺は元々自殺願望を抱いてここに辿り着いたのだし、釈放されたって戻る所も無いし、それに死ぬ覚悟はとっくに出来ているしな」
驚きの表情のままに悪友が諭す。
「釈放されたら念願の子供に会えるじゃないか?」
死刑囚が首を振り言った。
「一度会ったって、その後又死ぬのが辛くなるだけだしな。それならば会わずに死んだ方が気が楽じゃないか…」




