表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アル中の歌  作者: 岩本翔
212/260

アルコール依存症212

「何が何でも、あの者の意識を戻すのじゃ。それが出来なければ、お前の命は無いと思え!」と老婆が行雄の主治医を恫喝した。

会議室の中で行雄の主治医と老婆が角を突き合わせるように話し合う。




頭の禿げた医者が言った。





「先生、あの者は危篤状態と言えます。ですから、そのまま死刑を執行するしかないのではありませんか?」




先生と呼ばれた老婆が尊大なる態度のままに言った。





「いや、あやつに意識が無ければ、死刑執行を断行しても無駄なのじゃ。彼女は甦らない。だから必ずや、あやつの意識を取り戻すのじゃ。分かったな?」




医者が息をつき答える。





「しかし、あの者は脳梗塞だけではなく、心臓、腎臓もやられており、若くて体力があるから持っているようなもので、病状が回復する見込みは、ほぼ無いと言えるのですが…」




老婆が医者を鋭い眼差しで睨みつけ恫喝した。





「それではここまで呪術を組み立てて来た意味が無いではないか。何が何でも、あの者の意識を戻すのじゃ。それが出来なければ、お前の命は無いと思え!」





医者が小刻みに震えながら答える。





「はい、最善は尽くします、先生」




老婆が再度恫喝した。




「最善ではない。絶対に意識を回復させるのじゃ。分かったな!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ