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アル中の歌  作者: 岩本翔
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アルコール依存症21

「あっさりと死ぬならばいいでしょうが、酒も飲めず寝たきりは嫌でしょう?」と医者が点滴を打っている行雄に向かって言った。

病院に運ばれ、行雄は検査を受け実際に点滴を受ける運びとなった。





医者が言う。





「糖尿病を患っているのに、何故酒など飲んだのですか。精密検査を受けてみないと分かりませんが、多分脳梗塞になりかけたのですよ。この意味分かりますか?」





点滴を見上げながら行雄が言った。





「でも先生、俺には実際問題意識もあるし、脳梗塞なんかじゃありませんよね」





医者が首を振り答える。





「脳梗塞になりかけたと言ったのです。糖尿病は様々な合併症を招きますから、脳梗塞もその一環なのですよ。貴方はこのまま酒を飲み続ければ間違いなく脳梗塞になって、寝たきりになってしまいますよ。それでも良いのですか?」




点滴を見詰めたまま行雄が答える。





「いや、俺は死にたくない。でも酒は飲みたいのです。先生?」





その言葉を聞いて、付き添っている悪友が思わず噴きだし笑いそうになるが、何とか堪える。





医者が続ける。





「あっさりと死ぬならばいいでしょうが、酒も飲めず寝たきりは嫌でしょう?」





行雄が涙ぐみ頷き答える。





「そうですね」

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