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アル中の歌  作者: 岩本翔
195/260

アルコール依存症195

「俺達は一人づつ死刑執行されるのか、それとも全員一緒に執行されるのかどちらなのですか?」と悪友は看護師と一緒に現れた老婆に尋ねた。

死刑囚の最期の嘆願が通り、背の高い看護師と一緒に老婆が現れ、三人に向かって言い放った。





「私に何の用だ?」




瞬時たじろいだ悪友が気を取り直し尋ねる。




「俺達の死刑執行はいつ成されるのですか?」





老婆が鷹揚な態度を取りつつ答える。





「今準備を進めているから、もう少し待っていろ」





悪友が質問を続ける。




「俺達は一人づつ死刑執行されるのか、それとも全員一緒に執行されるのかどちらなのですか?」





鋭い目付きをして老婆が答える。





「それは言えない」





悪友が訝る。





「何故言えないのですか?」





「言えないから、言えないのだ」





悪友がすかさず畳み掛ける。





「それは死刑執行に施す呪術に支障を来たすからですか?」





冷静そのものの口調で老婆が答える。





「それも言えない」





悪友が怯まず続ける。




「死刑執行はどんな方法で行われるのですか?」





老婆が口元に笑みを湛えた後、死刑囚を指差し言った。





「それは後のお楽しみだ。そしてお前の最期の嘆願はこれで聞き入れたから、終了となったわけだ」

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