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アル中の歌  作者: 岩本翔
184/260

アルコール依存症184

「いや、推移を見ながら脱獄のチャンスを見出だすしか俺達に残された道はあるまい」と悪友は言った。

悪友が言った。




「そうだな。霊媒師とか所謂真正の呪術者にとっては言葉というか言魂の持つ意味合いは大きく、それがそのまま呪術と言っても差し支えないからな」




死刑囚が尋ねる。





「その呪術を駆使して奴らは一体友達にどんな嘆願を言わせたいのだろう?」




悪友が答える。





「分からない。呪術絡みならばそこに人知の及ぶ脈絡はなく、理性で考える事は無駄だからな。ただ言える事は、こいつに関してはアル中がその言魂、所謂キーワードとなっている事は間違いないと俺は思うのだ」




死刑囚が顔をしかめ言った。





「友達に関して言えば、所謂アルコールを飲みたいという言葉が婆さんを甦らせるキーワードならば、そんなのは正しく道化、お笑い草ではないか?」





悪友が苦笑いしてから答える。





「それは正にお笑い草になってしまうが、勿論それ以外の違う語句を言わせる意図がある可能性も大いにあるわけだ」




死刑囚が言った。





「いずれにしろ、こちらは篭の鳥、盲目的な囚人であり、何も分からないならば、黙って死刑執行を待ち、推移を見詰めるだけか?」




悪友が首を振り答える。





「いや、推移を見ながら脱獄のチャンスを見出だすしか俺達に残された道はあるまい」

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