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アル中の歌  作者: 岩本翔
183/260

アルコール依存症183

「それは分からないが、婆さんを確実に甦らせる為の最期の嘆願調節である事は間違いない事実だと俺は思う」と死刑囚は言った。

看護師がドアに鍵を施し、立ち去った後、悪友がおもむろに言った。




「医師が診察もしていないのに診療か。第一点滴の薬の中に眠らせる為の安定剤と、酒を忌避する薬は混合して投与される筈なのに、何故段階をつけて投与されるのだ。そんなの常識的におかしいではないか?」




腕を組み息を吐き出してから、死刑囚が言った。





「友達の嘆願を意図的に改竄調節する狙いがあるのではないのか。俺達には点滴の中身がどんな薬剤なのか知る由もないしな…」





悪友が口を固く結んでから訝る。





「薬剤で最期の嘆願など改竄調節出来るものなのか?」





死刑囚が答える。





「薬剤には自白剤もあるからな。そんな調節はお手の物だろう」




悪友が苛立たしく尋ねる。





「しかしこいつがどんな最期の嘆願をする事を奴らは狙っているのだ?」





死刑囚が小刻みに首を左右に振り、深呼吸してから答える。





「それは分からないが、婆さんを確実に甦らせる為の最期の嘆願調節である事は間違いない事実だと俺は思う」

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