アルコール依存症18
「そんなアルコール宇宙こそが俺の脳みそならば、お前はそのアルコール天国への道連れだから、有り難く思え」と行雄が悪友に言った。
悪友が言った。
「しかし鹿を殺し続けたからと言って、老人連合の逆鱗に触れるわけではないだろう。俺達が殺して食った鹿がたまたまあの爺さんの飼い鹿だったのだから、他の鹿を殺したとて意味は無いのではないのか?」
行雄が缶ビールをがぶ飲みしてから言った。
「いや、鹿を殺せば必ず老人連合とあのジジイは俺の水先案内をして、俺は愛しい婆さんに会える筈なのだ。それは間違いないと俺は確信しているのさ」
悪友な苦笑いしてから言った。
「その確信もお前のアルコール脳みそが抽出している製造物なのか?」
行雄が答える。
「そうだ。そもそも俺のアルコール脳みそが作り出した恋心だからな。この確信に従っていれば俺は間違いなく老人連合の本部であの愛しい婆さんと再開するのだ」
悪友が顎を上に向け一声笑い言った。
「それはお前の酩酊はちゃめちゃ回路のヒューズが飛んで、宇宙がアルコールで出来ているという出鱈目思考のもたらす上下逆さまの破滅型思考ならば、お前の死に神こそが老人連合なのかもしれないな?」
行雄が缶ビールの空き缶を無造作に外に投げ捨ててから言った。
「お前面白い事言うな。そんなアルコール宇宙こそが俺の脳みそならば、お前はそのアルコール天国への道連れだから、しかと有り難く思え」




